好い唇にご褒美を

「名前ちゃーん」
「はあい。どうしたの?」

大阪にきて、はや数ヶ月。
だんだん土地にも慣れてきて、侑さんとの生活も慣れてきた。

「どや!みてや!これ、俺かっこいいやろ!」
「どれ?わぁ。隣の女性と近くなかったら100点近いから80点減点」
「20点しか残らへんやん!?撮影やもん、ゆるしてや…」
「ふふ、前に聞いたから怒ってません。ただそこは私の席だばーかお前は私にはかなわねぇよって相手は思うだけです」

「名前ちゃん強火…」
「何を今更」

もう、見繕いもせずどの業界、オタクでも私が彼の1番だといい放つことに成功している私はテレビや雑誌の撮影で彼が起用されとなりに女が立とうが関係なく私が一番だと言い放っている。
侑さんもそれに気分がいいのか大体ニコニコしている。
まぁ、オタクは別で牽制しまくってるけど、きっとバレていないはず。
いわば私は吹っ切れているのだ、私が彼の一番意外になるわけがないと。


「なぁ、ほんまにいかなあかんの?同窓会」
「さすがに、こっちくる前から決まってたし行くよ。侑さんと付き合ってるのだいぶニュースで広まってるし、その質問攻めに会いに行くの辛いけど」
「やって、元カレおるんやろ…」
「高校の時のね。女の子たちとしかいないって約束したじゃん」
「せやけど…いややぁ。行かせとおない。俺の名前ちゃんやもん」


どうやら宮侑と言う人は思ったより嫉妬深く、元カレが参加する同窓会にどうしても行かせなくないようで
、実家に泊まって1泊2日、始まりと帰りに電話、一次会のみ参加という条件で同窓会に参加することになった。

「なんでこんな時に限って合宿なん…」
「私は侑さんのにおいがする部屋で一人になるの寂しかったから気が紛れてちょうどいいよ」
「なんでそんなこと言うん!?名前ちゃん大好き!」
「ありがと、私も好きだよ」


すっと伝えれば、侑さんはきょとんとした顔をしたのちみるみる顔を赤くして後ろから飛びついてくる、
その姿はさながら飼い主が外出するのを止める犬のようで少し笑えた。

「やっぱり、俺も行く!行って俺が彼氏です〜って自慢すんねん!」
「合宿行ってカッコいい侑さんみたいなぁ」
「っぐ、名前ちゃん俺がそう言う話に弱いん知っててやってるやろ、あ、せや」


もうあと30分で家をでて、駅に向かうと言う時間に侑さんは徐に自室に向かい、帰ってくれば二つのリング。

「こういうんやってみたかって、彼女いたことあったけど、バレーの邪魔になる思って買ってこうへんかったんやけど、名前ちゃんには渡したいし俺もつけたかってん」

箱に入っていないところをみるに今持ち出してきたのだろうか。ピンクゴールドに輝く指輪はなんのこともなく私の薬指にすっとはめられた。

「知ってんで、名前ちゃんが強気に発言するときはだいたい嫉妬した後やったことも、自分が俺の一番であることを確認してることも。無自覚やろ?試合の後とか、実は周りを牽制して、一番最初に俺んとこきてることも。」
「だから証明したんねん。この指輪で。ここにはまっとるのな、ブルームーンストーンていうねん。ダイヤとか普通かなと思ってんけどきいたら、恋人との愛を深めたりするんにええらしいねん俺らにピッタリやろ?」

「あ、侑さん、待って、めっちゃばれてるの…?」

「フッフ、彼氏の目は誤魔化せへんよ。それに言うたやろ、お互いに。重いで、離さへんからなって」

「い、いったけど」

私の手をしっかり掴んで離さない侑さんの手はバレーボールを掴めるだけあってやはる少し大きくて、でも手のケアは私よりしているからカサカサせずしっとりととしていて触り心地がいい。

「どこ行くんにもこれつけとって。名前ちゃんは俺ので!俺は名前ちゃんのやからな」

その言葉に嬉しくて泣いて、侑さんに飛びつけばささえてくれて、ちゅっとリップ音がなる。
家をでるのが遅れてバタバタして私は侑さんに駅まで送ってもらい
同窓会で見せびらかして自慢したし、次のシーズンには指輪をつけて試合を見に行って毎度1番に侑さんに飛びついた。





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