07

試合は滞りなく進み、今回は負けてしまったが今日の宮さんもダントツかっこよかった。

「今日も推しが飛んでて可愛い。羽でもあるの。翔陽くん。」
「宮さんは今日も綺麗だった無理。実質勝利では…?」

体育館の下に向かう私たちはもう推しの素晴らしさを語らうただのファンで、周りを走っていくちびっこたちに不思議な顔をされる。
許されて、ちびっこごめん。不純な気持ちで見にきてて。

「ねぇ、今日の目標聞いて」
「はい、萌絵果さん」「推しと写真を撮ってくる」
「いやねーのかよ」「名前の写真撮ってあげるから付き合って。先に宮選手の方行くから」

写真は撮れるのかと思ったがこれは当たって砕けろ、気づけば少し待機列ができていて、今日も宮さんは対応を始めてた。
あれよあれよと話すうちに次は私の番で、2回目にそわそわしだした。

「こんにちわー。あ、夢の国の子や、手帳見た?」
「ヒィ、見ました。あれ、ファンにやったら死人が出るんでやめてください。治さんから受け取った時倒れるかと思いました。」「倒れるて、それはないやろ」

ケタケタと笑いながら突っ込んでくれて違う笑い方がまたみれたと、少しホクホクする。きっと仲良い方達にはもっとこの笑い方を見せてるんだろうな。

「あ!今日は宮さんと写真撮りたくて。大丈夫ですかね?色々…ダメだったら諦めるんですけど」
「SNSのせんのやったらええよ。頼むか?」
「いえ、友達が撮ってくれるの大丈夫です!」

ほぉか、と後ろにいた萌絵果にケータイをわたし宮さんの隣に並ぶ。

「名前ちゃん、俺な宮さんて呼ばれんの慣れてないんやけど、」
「?はぁ…」「次会う時は、侑って呼んでくれや」
「は?「名前!とるよ!」う、うん!」

はいチーズ。とともになるシャッター音。
少しだけ開いた距離。確認した写真はまだまだはじめまして感がいなめない。
私はすこし顔が赤くなっていて、宮さんはイタズラが成功したような顔をしていた。



「ありがとうな、また待ってんで名前ちゃん。次の試合は絶対に勝ったるわ。もう覚えたからな。」


それが今日最後の宮さんとの会話である。

「名前覚えられてたじゃん。ただの認知おめでとう。あれはりあこ製造機だろ」
「奇跡かとおもった。それに私はりあこにはならないからね…負けないからね……」
「何にだよ、写真どう?」「完璧ぼかして待ち受けにするこの後は任せて」

この後向かった日向選手のところでわたしのケータイをみられた時に、夢の国の人ですか?萌絵果さんのお友達だったんですね。って言われたのでブラックジャッカル内でから回ってんのか、てかお前私に認知云々言ってたけど、されてんじゃねぇか。と心に悪態をついて乙女な萌絵果に変わって私が写真の話をして、少し煽ってわたしの写真よりも距離がない写真をカメラに抑えた。



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