06
「よし!!パロマがそこまで心を決めているのならば、此度も微量ながら私も手助けしようじゃないか!」
「えっ本当ですかっ?!助けて下さるんですか!!!」
パロマも立ち上がってナイトメアの手を取ろうとして・・・スルっと避けられた。そして爽やかな笑顔で、
「もちろんだとも!それで死んでも私を怨むなよ?」
と、さらっと恐怖を匂わせた。
「・・・・・・・・出来れば安全策でお願いします。」
当事者と傍観者の大きな違いがあるものの、二人の気持ちが同じ方向で固まった。
「よぉし、来おおいっ!!君は何を知りたいのだ!」
準備万端、ナイトメアが左手に右手をパシンと打ち付けた。パロマも両手を組み合わせてお願いの姿勢になる。
「まずは、お城の間取りが分からないんです。今いる牢屋からの道順を教えて―――あ、いえ、書いて頂かなくて結構です。テーブルに指さしでお願いします。」
前と同じくペンと紙を用意しようとしたナイトメアに、つかさず断りを入れた。また出来上がったお絵描きを強引に持たされでもしたら大変だ。あんな恥ずかしい思いは二度としたくはないパロマだった。
「それならば、良い方法があるぞ。」
ニヤッと笑ったナイトメアの手の上には、精緻なチェスの駒が突然現れた。
「ハートの城は、君が現在位置する地下と地上は3階まである。分かりやすい様に立体地図と行こうではないか。」
そう言うな否や、駒達がナイトメアの手から浮上し、光の粒子を撒き散らしながらクルクルと自分勝手に動き出す。
「えっ・・・ええ?!」
パロマの視線が空を泳ぐ。一体一体のチェス達が目まぐるしく動いていた。
まずはブラックカラ―の夥しい数の歩兵『ポーン』が、ゾロゾロと配置に付いた
一番下に、数体のブラックのポーンと、
そしてホワイトカラーのポーンが一体。
その上の段には無数のブラックのポーン達と、
騎士『ナイト』が一体、
中央には、ブラックの女王『クィーン』が陣立てし、
さらに上の段には、これまた数多くのブラックのポーンと
一体のブラックの僧正『ビショップ』、
奥にはホワイトのクィーンが一体、ピタッと止まった。
最上階であろう一番上には、ブラックの王『キング』が一体、
ゆっくりとその位置に付いた。
キングが止まった時に、すべての駒の動きも止まる。ナイトメアがその配置に満足げに頷いた。





「さぁ、ショータイムの始まりだ。」







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