『揺れる意識の狭間に』
2013/05/02 02:01

*任務中の青年フレディでお願いします。





 疲れた。とても疲れた。
 身体は重く、意識も朦朧としている。目の前は霞んで目蓋が今にも落ちそうだ。
 重力に押しつぶされそうになりながら、ベッドに身体を横たえて枕に顔を埋めた。ふわりと日向のにおいがして脳裏を過ぎるのはお日様のような笑顔。
 ああ、顔が見たい。声が聴きたい。甘い香りを胸一杯吸い込んで、柔らかな身体を抱き締めたい。
 無意識のうちに脳内に再生される映像に胸が締め付けられる。もう随分レナに会っていない。
 任務なんて放り出して帰ってしまおうか。働かない頭で考えて、その考えは打ち消される。
 責任を背負った身で許される筈もない。そもそも己の心がそれを許さない。
 早く解決をしなければ被害者は増えるばかり。悲しみをこれ以上生んではならない。そう思いながら息を吐き出し、身体から力を抜いていく。
 オレの日溜まりに一日でも一分でも一秒でも早く会えるように。今は身体を休めよう。
 レナに貰った御守りを握り締めて願う。せめて夢で会えるように。そして意識は呆気なく途切れた。






日頃足を運んで下さる皆様へ。
何時も本当にありがとうございます!

 



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