ただただ、どうしようもなく泣きたくなる時がある。否理由なんてわかる訳もなく、 夢をみた、 「ところで貴方は誰ですか、」 声が聞こえた気がした。 「私は一体誰なのでしょう」 わかりませんよ、 私には私が誰なのか、わかりません。 「一体全体どうしましたか」 きっと私は悲しいのでしょう、寂しいのでしょう、 ポロポロぽろぽろ、涙が止まりません、 人に触れたいのでしょう、繋がりたいのでしょう、 ですがそれが離れる、時が来る事が怖いのでしょう、 そうです、永遠などないのです、 この虚無感はなんでしょう、不安感はなんでしょう、 そしてこれはきっと終わることなく私が死ぬまで離れる事はないのでしょう、 「誰か会いたい人はいますか」 とくり、心臓がひとつ動いた。会いたい人、その言葉に何かが引っ掛かる。私は一体誰、誰に会いたいの。 「よお、」 涙で滲んだ視界を拭うと目の前には赤い髪をした小柄な男が立っていた。 そうだっ、私が会いたいのは─… 「サソリ、」 夢をみた、 むくりと布団から起きる私の視界は滲み、同時に瞳から雫がこぼれ自分は泣いているのだと自覚した。夢で泣くなんて経験は無論初めてな訳で、否、私にとってあの夢は何を表すのだろうか。疾うに忘れたはずの奴は何故今になって現れたのか。人生で一番楽しい時を共に過ごした奴は何故。さて、奴が私の前から居なくなってから幾つの月日が経っただろう、あんなにも永久を求めた奴はこうもあっさりと消えてしまったのだ。確か、最後に交わした言葉も奴は永久について語っていた気がした。こうなると解っていたのならもっと違う話しをしただろう。そして奴に最後に触れたのは、いつだっただろうか。 ぽたり、涙が止まらない。 ああ、やっと会えたのに、目の前に貴方はいない。夢から覚めてしまったのね。そうか、ずっと問いかけていたのは貴方─、 嗚呼ああ、 誰か、誰か、 助けてください、 心から叫ぶ、SOS 会いたい会いたい会いたい会えない、 もっと貴方と一緒にいたかったの 視界に映るのは不器用な誘惑 貴方のぬくもりが忘れられない 111024 企画 冷たい君に至福の時を様提出 提出が遅くなりまして 本当に本当に本当に 申し訳ございませんでした。 |