イタチさんが好きだった。ただ、それは憧れと尊敬からくるもので長い睫毛に大きな目、綺麗な鼻筋に抜群のスタイル。誰がどう見ても綺麗だと思える美しさとほぼ絶対的な強さを兼ね揃えた非の打ち所がないあの人にとても憧れを抱いていた。そんな人と同じ組織の下で暮らすなどまるで夢のようだと組織に入った当初は浮かれたが、実際にはもう暫く経つというのにまだほとんど皆無と言っていい程会話はしていない。組織でもちょっとした失敗などが多い私と違いイタチさんは決して失敗なんてしない完璧な人で、任務も別に行うので接点がないとか言う前にまず話すことが出来ないのだ。私には天と地ほどにも差があるイタチさんは余りにも遠い存在で話す事も出来なかった。

「明日の任務はイタチとだ」

話せなくてもいい、遠くで見ていられればいい、そんな存在だったのになんとペインに告げられた任務はあのイタチさんと二人での任務だった。そんな、急すぎる。焦る気持ちを抑え鬼鮫さんは、と尋ねると案の定唯一の助けの鬼鮫さんはどうやら他の任務があるらしい。

「以上」
「ちょ、待ってください!」

どうしよう、これはまずい。ただでさえ最近任務にミスが多いとペインに注意されたばかりだというのに二人きり、まして相手がイタチさんだなんて尚更緊張してミスが増えそうだ。代えて貰おうとペインに伝えようにも何処かへ行ってしまったし、どうしよう、次の失敗は許されない。

「おい」
「うわっ、てイ、イタチさん!?」

どうしようかとふらふらと考えながら廊下を歩いていると背後から声が聞こえ振り返るとイタチさんがいた。そうだが、なんてイタチさんは表情一つ変えずにこちらに視線を向けているが、私の心臓はすごく煩い。一気に顔に熱が上るのが解りとても平常心を保つ事なんてできる訳がない。

「次の任務同じだな」
「は、…はい」
「そういえば、お前と話すのも初めてだな」
「そ、そうですね」

返事が、声が、裏返る自分が情けない。私の心臓はもうありえないくらい煩くて顔は燃えだしそうなくらい熱い。どうしたんだよ私。イタチさんの方を凝視する事もできるはずもなく目線は下へと落とす。

「お前の話しはよく聞く」
「え、私のですか?」
「ああ、」
「どんなの、ですか」

なんの事だ、私の話しなんてあるのだろうか。不意に言われたその言葉に思わず上げた視線に映るのはにやりと口に弧をかいたイタチさんだった。

「今度は失敗するなよ」


桃色
恋の始まりは人それぞれ


去っていくイタチさんを尻目に残された私は火照る頭を冷やす方法を必死に考えるが何をやっても治まらないのはあんなにも恥ずかしい事を言われたからでしょうか、


100817:)Title joy

なんだこのぐちゃぐちゃ感。テスト前は書いてはいけないんだね、イタチさんごめんなさい。
誤字脱字ありましたらご一報くださると幸いです。