(生徒会長攻め)甘奈×折笠A
他の生徒が授業を受けるまっただ中。保健室のベッドに倒される男と、伸し掛かり、首に舌を這わせる男とが、使い古したスプリングをギシギシと軋ませている。思考を濁らせる鈍い音に、迂闊に口から漏れでてしまいそうになる喘ぎ声をなんとか手で抑えて、折笠安芸は薄っすらと琥珀の瞳に水膜を張らせながら、逃げようと、腰を引く。
(どうしてこいつはまた性懲りもなく。)
けれどもあっさりと腰は捉えられて。更に強くなる愛撫に、思わず片目を瞑る。
「ッ、あ、っ・・・!・・、は、」
「良い声だなあ、アキ。もっと聞かせてくれよ」
「る、っせんだよバ会長が・・・・、」
「・・誰が、バ会長だって?」
「てめ、えだ、クソ、」
カプリ、と噛まれた首筋には、すぐに所有印が残される。
「・・・口が悪いな、お仕置きだ」
(――俺の身体を弄ってやがるんだよ。)
<甘奈×折笠A>
安芸は体育のバスケでたまたま、捻挫をしたものだから、保健室に行くと友人に告げびっこを引いて、保健室までたどり着き、その扉を開けた。すると、何故かそこには甘奈が居た。最悪だ、失礼します、との一言をすぐに失礼しましたに置き換えて、扉を閉めようとすれば、もう、何度目かもわからない。
腕を掴まれ、ヤツの胸元に引き寄せられた。
甘奈が気に入ってつけているという香水の香りを十分すぎるほどに堪能して、脚いてえんだから、引っ張ってんじゃねえよ、と突き放した安芸は、可笑しげに笑う甘奈にするりとベッドに座らされ、まるで処女を扱うかのように、優しく押し倒された。
『は?、何、』
『こら、安静にしてねえとだめだろ』
ニヤニヤ、いや、いっそニコニコと言うような陽気な笑みを浮かべて、甘奈は安芸のネクタイを解く。
朱色の手触りの良いそれで、あっさりと両手を背中側で縛られて。
手際の良さに、顔面蒼白で己にのしかかる甘奈を見上げると、
『そんな期待した目で見られちゃ、勿論、応えるしかねえよな』
全く思ってもいない台詞を並べて、生徒の模範となるべき生徒会長様はこの状況を肯定した。
「ッ、っ、ン、」
安芸の中を、甘奈の指2本が何度も出入りしている。初めこそたっぷりのローションを纏って、ぐにぐにと中を探るように、動かされていた長い指も、巧みに前立腺を強弱をつけながら愛撫されれば、処女、である安芸の後孔を広げることは容易かった。
「っ、は、ッ・・・・っ、ん、」
「ククッ・・・泣くほどイイのか?」
「っ、せ、え、よ、ッ・・抜、・・け・・・ッ!」
じんじんと押し寄せる快楽の波に、涙が浮かばないほうがおかしい。
こいつが上手いのが悪い。こいつが、俺を縛って、イかせて、気怠く視線を下げたその隙に、誰にも触られたことのない、この学園に来なければ縁の無かったケツの穴の他の用途を、試し始めたのが、悪い。
下唇を噛み締めて、淫らに抜き挿しを繰り返す指に、くぐもった喘ぎを漏らす。
と、思えば、奥にまで挿し込まれた指は、入り口付近でグリグリと前立腺を押し上げて、びくんと腰が跳ね後ろでにシーツを掴んで、ほんの少しばかり後退する。しかしその後退した分だけ、甘奈の指は安芸を追い立てる。――――もう、こんなの、堂々巡りだ。
体験したこともない快楽に、重ねて、厭に美形で美声な男に攻められる。
外じゃ男前だなんだの、いいや、ここでも男前で、不本意ながらモテても居る。それなのに、
「なあ。こんなにココ垂らしといて。本当に、抜いて欲しいのかよ、アキ?」
(どうしてこんなに、欲情塗れの顔で)、
「それよりもっと欲しいモン・・・あるんじゃ、・・・ねえのか・・?」
抜き去られた甘奈の指を視線で追う。耳元で、脳味噌を直接揺らす甘奈の低音に、は、と呼吸がまた荒くなる。
(あ、――――かん、なの、て、)
ジジ、と降ろされるジッパーから覗くのは、恐ろしい程に完勃ちした甘奈の屹立で。
――これで突かれたらどんなに気持ちが良いだろうと。
「・・ッ、か、んな・・・、の、が、」
はくはくと唇を動かして、
「欲し、い、・・・・なんて、言うわけねえだろ変態野郎が、ッ!」
ゴクリと涎を飲み込み情欲だらけの顔で笑っていた甘奈の肩を、抵抗とばかりに企んだものの、よりによって捻った方の脚で思いきり蹴りつけてしまい、保健室には安芸の声にならない声が響き渡る。
「・・・次は、容赦しねえぞ」
呆れて物も言えない甘奈に治療を施され、別れ際ドスの効いた声で死刑宣告を受けた安芸であった。
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保健室で仕事をサボっていた甘奈と、ジャージは肩に羽織る派な安芸。
未貫通。