甘い甘い砂糖のように私の中学時代は密かに、甘く広がっていた。
でもその終わりは呆気なく一瞬にして終わってしまった。
それでも私は目を閉じると今でも鮮明にその時のことを思い出すことができる。

×××××


高校に入学して数日が経ち一年生は学校生活や部活に慣れ始めた頃
誠凛高校バスケ部もその一つだった。
一年生の恒例行事となった屋上でのひとりひとりの目標宣言も終わり本格的に始動しようとしていたときだった
カントクである相田リコがキセキの世代の一人である黄瀬涼太を獲得した海常高校との練習試合が組めたと話している
その時なぜかその本人である黄瀬涼太が現れ同じ帝光中学のバスケ部で幻の六人目と呼ばれていた黒子テツヤを勧誘していた
そしてモデルもこなしている黄瀬が現れたことにより体育館の入り口には大量の女子生徒で溢れていた
その大量の女子生徒を見て驚いている女子生徒が一人いた。
彼女は集まっている女子達を何とかくぐり抜け体育館の中へ入ると丁度黄瀬と赤い髪をした長身の男が1on1をしていた
彼女はその赤い髪をみてふと中学時代の彼を思い出してしまう

「やっぱ黒子っちください」

海常に来い、一緒にバスケしようと言ってきた黄瀬に周りは驚きを隠せない
しかし当の本人である黒子はすぐさまにその誘いに断りを入れた
そしてさらに黄瀬に向かって言い放つ

「何より火神君と約束しましたキミ達を…「キセキの世代」を倒すと」


黒子のその言葉で黄瀬の雰囲気が変わるがそのまま今日は帰ると言って体育館を出た
先ほどまでうるさかった体育館が一気に静かになりバスケ部も練習を再開しようとしたとき二年の小金井慎二が彼女に気づく

「アレー女子がまだいる!!」
「何?」
「ホントだ」
「何か用?」

彼女を見て二年生達が周りに集まりまじまじと見ていると少したじろぎながら口を開いた

『私、マネージャー希望何ですけど…今から入部でも大丈夫ですか?』
「マネージャー!?」
「おお、!!」

彼女の言葉に一同は喜びを露わにするそしてリコが騒がしくなったバスケ部を収め入部希望の彼女と向き合った

「カントクの相田リコです。えーとお名前は?」
『槙かすみです。中学でもマネージャーしていました。』
「へぇ…どこ出身なの?」
『帝光中です。』


その一言で一瞬にして空気が変わった
それもそのはずでさっきまでここに帝光中出身の黄瀬涼太、そして誠凛には同じく帝光中出身の黒子テツヤがいるからだった

「帝光中!?」
「おい、黒子知ってたか?」
「めちゃめちゃ心強いじゃん!」
『あ、あの…』
「すみません、マネージャーたくさんいたので…でも見たことはあります」
「やっぱりー」
『あの!!』

自分をおいて話が盛り上がるバスケ部に待ったをかけたかすみはそのまま続けた

『私、大層なマネージャーじゃなくて…その、期待されても普通の事しか出来ません…』

それに助け船を出したのはリコだった

「ごめんなさいね、みんなが勝手に騒いだだけだから丁度人手も欲しかったし、気楽にして大丈夫よ。
これからよろしくね…かすみちゃん」
『はい!!よろしくお願いします!頑張ります!!』
「じゃーホントに練習再開するわよーみんな準備急いで!!」


カントクの指示で練習を再開し、ほんとに活動が始まったのだった


_

- 2 -


back



×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -