もしこの音を第三者が聞いたら、大概はベッドの上で取っ組み合いが起きていると思うだろう。合意の上でないセックスと答えたらいい線はいっているかもしれないが、真実には届いていない。
ベッドの上では合意の上での真剣なセックスが行われているのだから。

「はっ、あっ…い、そこ…もっとッ」

アカギは蕩けた秘部に怒張を捩じ込まれあられもない声を上げる。催促の言葉と共に内部をうねらせ、相手の理性を砕きにかかった。最も、既に二人のあいだに理性など無いに等しい。本能と本能がぶつかりあった結果のこの行為だ。
相手―カイジは、アカギの催促に応え腰の動きを変える。身体同士がぶつかる音はやはり乾いて鈍く、そして何よりカイジの背についた無数の傷跡とアカギの首についた幾多の噛み痕がこの殴りあいのようなセックスを象徴していた。

「ほらッ、ここ、かよ…!?」
「んう、アッ、い、いぁああ!!」

グヂュン、と音を立てて叩きつけるように突くと、一際大きく喘いだアカギの張り詰めた肉棒から薄い白濁が散った。一拍おいてカイジも精を放つ。
呼吸を整えたかと思えばカイジはずるりと結合を解き、精の詰まったコンドームを外した。しかし現れたものはおさまる気配を見せてはいない。アカギは呆れたように息を吐いた。

「…よくそんなに、どこからでてくるんだ」
「知らねえよ、オマエ見てると勃つんだからしょうがねーだろ…」

そう言いながらも次のコンドームの袋をを口で引き裂くカイジに、アカギはぞくりとした快感を感じた。コンドームの装着を命じたのはアカギだ。この絶倫から自分の体調を守る手段として講じたものだが、カイジは生で入れたいだろうにもかかわらずアカギの言うことを聞いてコンドームの装着をよしとしている。
待ちきれないとばかりに装着を済ませたカイジは何度めかもわからぬ挿入を開始した。辺りには白濁が入ったコンドームが無数に散らばっている。しばらくまた激しい抽挿があり、カイジがコンドームをぺしょりと投げ捨てた。当然のように勃起しているカイジが箱に手をやると、

「あ、れ」
「…どうしたの」

その手には外装の厚紙しか触れなかった。

「なくなっちまった、みてえだな」

にやり、と笑うカイジを見て。アカギは頬をひきつらせながら翌朝の腹痛を覚悟した。
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