「カイジさん、セックスしよう?」
そう言ってアカギが微笑めば、只でさえ我慢のきかない理性は簡単に揺らぐ。
キスをして誘うとカイジはおずおずと乗ってきて絡まりあい融ける。これでいいのだ。他者との接触を滅多にしないアカギにとってはこれは立派な愛情表現なのである。
「ん、かい、じさぁっ」
「…おまえ、ほんと好きだよな」
「え?」
「何でもねえ」
そう言ってカイジはアカギの媚肉を肉棒にて抉る。一段と深くなった結合に、アカギは高く啼いた。
「ひぁ、あッ…!」
半ば自棄になったような突きに困惑しつつも、アカギの口から出るのは喘ぎばかりだった。
体内に精液を放たれて絶頂を迎える。
「カイジさん…もっとしよ、もっと」
もっと愛して、という意味を込めてアカギは性交を要求する。
カイジはぐっと拳を握った。乱れるアカギに欲情しないわけはない。しかしそれでも。
この引っ掛かりを伝えたら、アカギがどう答えるのかを考えたくない。そもそもの原因は気持ちを伝えるのもそこそこにアカギを性欲に溺れさせてしまったカイジ自身であるのだ。
「…ああ、」
(おまえは俺とセックスのどっちが好きなんだ?)
「っ…はやく、」
(こんなに愛してるのにどうしてそんな顔をするんだ?)
互いに体液を吐き出しあう前に。
その言葉さえ吐き出してしまえばよかったのだ。
そうであればこんな、思いなどきえてしまうのに。