無知へお悔やみ
一人きりのお別れごっこ
思い出よりも死になりたい
指輪よりも繋げる手があればいい
個人に為れない、という孤独
最愛殺し
いつ虹を描けるのかな
赤ちゃんの手首
さびしいと深爪になる
錆びついた奇跡
そこには正しい祈りの規則があり、そこには見知らぬ果ての証明があった
誰かの代わりに愛してる
現実感と浮遊感
ベッドルームの薄日を引きとる
過去を孕んだ
つまんないって言って出口を無くす
指先から向こうの遠さを喪失する
想像も売り渡してしまって最後の虚無で何を紡ごう
お下がりのときめき
無傷で無垢な少女になりたい
残酷を履き違える
膿み始めた紅茶の時間
「簡単だから忘れちまえ」
宵闇の裾がひっかかっている
40
さびしいと深爪になる
2017.9.16