残業手当頂けますか。


私は○○。ワイルドタイガー事虎徹とバ―ナビーのマネジメントをしてる。
今日は昼間に起きた大規模な事件を解決した後そのまま虎徹に誘われて
反省会という名の飲み会を虎徹の家で行う事になった。



「虎徹、お前今日も鉄塔壊してただろう。携帯通じなくなった、と怒ってたぞ。
だからあれほど壊すな、と言ったのになんで壊すかな。スポンサーを思い出せよ、携帯だろ」
「あれは敵が居てしょうがなかったんだって」
「○○さん、無駄ですよ。このおじさんには幾ら言ったって聞きませんよ。」
カラン、と涼やかな音をたてバ―ナビーはさらりと嫌味を言う。
思わずそうだな、と同意をしかけたがそうすると今度は酷く拗ねる姿が簡単に想像がつくので流す。
「だってよぉ、あれじゃしょうがないって。俺がああしなかったら犯人逃がしてたんだし
バニ―ちゃんはもうパワー使っちゃってたんだし、無事犯人確保したんだから良いじゃねえか」
「ええ、スカイハイがね。結果的におじさんは器物破損しただけですよ。」
「ぐっ。」
とむせる虎徹の背中を摩りながら
「まぁまぁ。虎徹もバ―ナビーもがんばったしな。次だ次」
とまたきゃんきゃんジャレだした2人の間に仲裁に入りながらも酒は進んだ。


だらだらと何気ない事を話ながら飲む酒は美味い。
HERO TVを見ながらああだこうだ言いながら飲むのは最高に楽しかった。
それにしても
「暑いな・・。」
と酒が回りきり、暑くてしょうがなかった。
虎徹が好きな焼酎を飲んでみて以外と美味くて何杯も飲んだからか。
スーツなんか着てられなくて脱ぎ、そこらに放り出す。
「おいおいシワになんぞ〜?」
と言われるがぼんやりとしてどうでも良かった。
そんな事よりこの暑さをどうにかするほうが先で。
ネクタイをほどきボタンを二つほど開ける。
それでも「暑い・・・。」と呟いていると
「○○さん、どうぞ。」
とミネラルウォーターを手渡される。
「おじさんにそそのかされてほいほいと飲みすぎなんですよ。」
と小言を言われる。
ごめんごめんと謝り蓋を開け飲もうとすると位置がずれたのか
ビシャッとシャツの上に水がかかった。
「うお、冷た・・・・!」
「何してるんですか、○○さんっ。」
「おいおい・・・」
と虎徹はタオルを取りに、バ―ナビーは私の手からミネラルウォーターを取りあげる。
「手元狂っちゃった。あーびっくりした。あはは」
「あははじゃありませんよ。何やってるんですか。」
と零れた床やテーブルをタオルで拭いてくれている。
拭き終わったのか、早く脱いだほうが良いですよ、風邪ひきますよと顔をこちらに向け
バ―ナビーは何故か固まった。
「・・・?何バ―ナビーどうした?」
と普段見ない赤い顔したバ―ナビーが不思議で覗きこもうとすると
「早く、それを脱いだほうが良いと思いますよ、おじさんが来る前に」
「俺がどうしたって?」
とタオルを持った虎徹が現れた。
「あーあーびしょぬれじゃないか。どんだけ零したんだよ、しょうがねーな・・ってお前・・」
「んー?」
と動きが止まった虎徹に顔を向けると
「何エロい格好してるんだよ・・・」
「へ?」
と虎徹の視線の先を辿り顔を下に向けるとそこは水でシャツが貼りつき、乳首がべったりと
くっついたシャツに貼りついてその存在をアピールしていた。
「わ・・・ほんとだ・・・」
「早く着替えてください。」
と微かに耳たぶを赤くさせたバ―ナビーを見て思わずちょっとだけ悪戯心が湧いた。
「何、バ―ナビー君気になっちゃう?」
「は?何言って」
と口を開き切る前にバ―ナビーに向かい手を伸ばし抱きつく。
そのままバ―ナビーに首筋に手を伸ばし
「このまま遊んであげても良いよ。ヒーローの体調をマネジメントするのも仕事の内だし・・・」
それに溜まってるだろ?とつ、とバ―ナビーの端正な頬を撫であげる。
ピシリ、と固まるバ―ナビーに内心笑い以外と初心だなぁと可愛らしさに微笑み
そろそろ良いか、と離れようとするとぐ、と腰に手を回され
「じゃあお願いします、○○さん。おじさんも、良いですよね。」
「もちろん。ヒーローのマネジメントって事は俺もだよな、○○?」
といつのまにか私の背後に回りひたりと腰を押しつけてくる。
「え?」
あれ、冗談って解ってるんだよな、あれ?と展開についていけずにおろおろしてる間に
気がつけば床に押し倒されていた。
「自分から誘ったんですから、覚悟してくださいね。」
「俺らに任せとけば気持ちよくしてやるよ。長年の経験みせてやる」
とこんな時だけ息ぴったりになって!と口にする前に唇を塞がれた。



朝。
フローリングの堅い床の上で3人とも眠っていた。
二日酔いの痛みと腰の痛みで眼を覚ました。
「あれ・・私なんでこんな所で・・・」
と回りを見渡すと酷い頭痛がさらに酷くなりそうな光景だった。
「なんでお前達裸なんだよ・・・。いつの間にそんな関係になったんだよお前達・・」
と茫然とした声を出し、マスコミには絶対に知られないようにしなければ、と考えていると
「ん・・・。あー・・・おはようさん」
「・・・・おはようございます。」
と2人が目を覚ました。
ヤバイ、恋人達の朝を邪魔してるなんて私最悪じゃないか。
手早く今日のスケジュールを伝えて退散しようと、立ち上がろうとすると一歩も動けない事に気づく。
「あれ?」
しかもよくよく見たら自分も裸ではないか!
放り投げたのかスーツがそこらに散らばっている。
「起きれないんですか?まああれだけ昨日激しくすれば・・・」
とひょい、とバ―ナビーにいわゆるお姫様だっこをされ、ソファに横にされる。
「ええええええええ!?」
何これどういう事だ、と混乱していると
「まさか覚えていないんですか?昨日の夜の事。」
「え、そうなのか○○。あれだけ自分から誘っておいた癖に。」
やー最終的にはもっと、とねだられておじさん大変だったのになーと言いだすのを
信じられない気持ちで2人を見上げる。
虎徹はともかくバ―ナビーも何も言わないという事は
「嘘だ―――!!」
きっと事実と言う事。
その日の仕事は結局あまり仕事にならず、普段はきびきびと働く○○がヒーロー2人に
フォローされて動いている姿を目撃される事になる。




それ以来虎徹達は何かあれば酒を進めてくるが頑なに飲まないようになった。


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