隊長と隊員、上司と部下、
そんな関係、それだけの関係、


「っェース、隊長…、」

「キヨカ」

その関係が崩れたのは、今晩の宴会で隊長とあたしが飲みすぎただけの話、ハメを外してしまっただけの話、

今夜が終われば、また関係は元通り



穏やかな波、照り付ける太陽、聞き慣れたクルー達の笑い声

いつも通りクルー達の輪の中にいるあなたの背中には昨晩のあたしの爪が食い込んだ跡がくっきりと残っててそれを目にするたびに昨晩のエース隊長の男の顔を思い出してあたしは軽く眩暈を起こす

くら、くらり


「おーいキヨカ、お前も来いよ」

輪の中のクルーの一人があたしを呼ぶ、
皆があたしの方を見る、
隊長と目が合う、
いつも通り隊長の口は軽く弧を描いて微笑っている、

くらり、

いつも通り、
まるで昨晩のことが夢の様に、
本当にいつも通り、

くら、くら


好きだとか、愛してるとか、
そんな薄っぺらい嘘言わなくったっていい

せめて、揺れて

過ちだったとしても、その心

揺らしてほしかった


揺れて、揺らいで

20100915

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