ゴキブリを見ると、害を受けなくても殺したくなる
そんな感情、よくあるよね?
「あ!!風間おっす!!」
教室に入るなり私の席に座り友達に囲まれたゴキブリが輝かしい笑顔で挨拶をしてきた瞬間…………
殴りたくなった。
ゴッ
「いってええええ」
いや、つい無意識に教科書やノートや辞典が入った鞄で殴った
頭を抱え込んで私の椅子の上でうずくまる害虫も、そんな害虫に擦り寄る形で心配と言う名前の媚びを売る雌豚も目障りで仕方がない
非常に目障りだ
「何するんだよマイハニー!!」
「生き絶えろ」
「素直なところが良いけど、もうちっと優しくしてくんねぇと俺の心が「本当に目障りだから消えて」」
パッキーン
そんな効果音をわざわざ口で出すと、害虫はすごすごと自分の席へと消えた
その後ろ姿を見てから、僅かに張り詰めていた心が緩むが
回りのざわざわとした私に対する悪意ある陰口にまたピキッと神経を張らした
あの日
告白紛いのことをされてから、害虫は来る日も来る日も私に付きまとい
『なーなー、俺右手と親友になりたくないからさー、ヤろうぜー』
繁殖活動をたくらんでいる。本当殺したい殺したい、殺しても殺したり無いが、あいつはきっと殺しても死なない
また休み時間になれば害虫は私の元へと来るのだろう
その時を考えれば深くため息が出た……………けれど
ストレートにセクハラをかます害虫だけれど
私は何故か他の美形と害虫は違うんだ、と思っていた
『ゴキブリとの友好状態、先は長すぎる』
帰