ゆきが、ふった

昨日は寒くて寒くて
私からニコルに引っ付くほどだった

夜中は暖炉の火で暖かくても、薪が切れて火が鎮火しだせば一気に寒くなる
寒いから引っ付いただけなのに何故かヤル気スイッチがオンされたニコルは喜んで腰を振ってきた。腰を振ってきた

迷惑この上ないけど大切だから間違えないように二度言いました

「………」

にじにじと、拘束から脱出し
かちゃり、とテラスに続く窓を開けると

「……さぶい…」

死ぬほど寒かった
しかも私は裸だ。自殺行為でしかない
すぐにクローゼットから適当なシャツを引っ張り出して羽織る。それからもう一度外に出ると




「……むりぽ…」


やっぱり寒かった。シャツ一枚も自殺行為らしい
むー、と口をとがらせて
しっかりぴったり窓を閉めてから外を睨む

雪に足跡をつけるとか
ぼふっと飛び込んで、人型の跡を付けるとかしてみたかったのに
雪が降らない地方に住んでいた私は憧ればかり強くて、現実の寒さをなめきっていた

でもやってみたい。やりたいやりたい

だけど寒い

くるくると窓の前で考えながら悩む


基本的に屋敷の外どころか、屋敷の中でもいつもの数部屋の外に出ないし出してもらえない私は

防寒具に適した服を持っていない


そうだ、あのひっらひっらのドレスはどうだろう!
一番派手で一番布を多く使っている黒色のあれならば寒さに対抗できるかもしれない

そう思い、クローゼットの奥からそれを取り出したのに

リボンごってごっての、フリルもっりもっりの
ボタンいっぱいのそれは


一人じゃ着れなかった!!


「真珠…何を可愛いことしているんだい?」


黒い布の塊の中心で
座り込んでへこんでいると、もふっと毛布に包まれて抱き上げられた

まずはおはようのちゅーをされて
すりすりと頬を合わされて
うざうざと嫌がるとそのままベットに運ばれちゃった

「そと、雪」

「雪??真珠は雪が見たいのかい?」

このままヤラレルのは嫌だと、押し倒されながらもアピールをすると以外にもご主人様はすぐに解放してくれた


そして、ご主人様のコートを貸してもらって
朝から二人で、雪が積もった庭を散歩する

たまにはこんなゆったりとした日もいい


「真珠の髪が雪に映えてとてもきれいだね」

そんなまったりモードな日も結局は上機嫌なご主人様に食べられて終わることを、その時の私は知らなかった
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