はてさて、困ったもんだ
俺の中ではジゼルに好きなやつが出来て、俺離れをしてくれるのが理想なのに
「こいつ、俺から離れる気さらさら無さそうだしなぁ」
身内以外にはぜってーなつかない従兄妹の依存とも言えるほどの寵愛を受けるのは別に嫌じゃ無かったけどさ
可愛いしさ
これが俺たちのどちらも恋愛感情で一緒にいるならよかった
だけど実際は違う。ジゼルは俺を男とは思ってないし、俺もジゼルを可愛い妹としか思えない
なにより…………ジゼルには内緒だが俺には恋人がいる。彼女ももう人間の結婚適齢期な年頃だし、義兄ちゃんからも男としてけじめをとれと言われてる……が、
「ジゼルをなんとかしないと、ガゼルさんまで暴走しそうだしなぁ」
道のりは容易くない。
実力は魔族の中でピカ一のジゼルだけでも手強いのに、こいつのバックには「うちのを泣かせたらマジで殺すぞ」と二歳児に殺意をぶつけるほどの馬鹿親もいる
彼女も大事だがジゼルだって大事だ
感情論を除いた話しなら、ジゼルを最優先にしなくちゃいけない事情だってある
はぁ、と溜め息をついて
無防備に爆睡をぶっこむジゼルを抱き上げてとりあえず俺のベッドに捨てておく
ソファにぐったりしながら明日の分の書類を見ても集中出来ない
どうやって兄離れをさせるかを考えながら、とりあえずストーカー国王を勧めるしか無いかと溜め息をついた
あいつも良いやつなんだけどな。でもジゼルがこんなに嫌がるなら別のやつを探すかなー
『兄ちゃんは辛いよ』
帰