――ほら、笑って?




――うん




――やっぱりりぃには笑顔が一番だよ




――うん




――笑って?




――うん




――りぃはもう、俺が居なくても笑えるよな?あの子は、俺がいないと駄目だから




―――――――うん。










そう言って
最後まで笑ってさようなら、といってくれた


彼女だった少女の涙を堪えた笑顔が忘れられない

「ゆーちゃん?どしたの?なんか考え事??」

「あぁ、うん」

明るくて元気で
俺に頼ってくれないで弱味なんか見せなかった彼女

そんな彼女に頼られて無いのかって凹んでる俺の心に寄り添って来た、浮気相手



あのときは確かに
我儘で俺にべったり甘えて頼ってくる浮気相手に急激に惹かれて、りぃちゃんと別れた筈なのに









最後の最後に、初めて見た
りいちゃんの涙目が忘れられない




今にも溢れんばかりの涙
けれどそれは、落ちることは無かった



本当は俺はその涙を溢させてあげないといけない立場だったのに
なんて、馬鹿なことをしたんだろう――



今更、潰れんばかりのすごい後悔が押し寄せる



「ごめん、やっぱ別れて」

「はぁっ!?な、なんでぇ!?やだよ!!私ゆーちゃん大好きだもん!!」

「無理。俺は遊びでしかなかったみたい」








俺は





どこまで最低な男なんだろう





りぃちゃんを傷つけて、浮気相手を傷つけて
それでもやっぱりりぃちゃんが好きで






ヨリを戻したいけれど、今更そんな都合が良いこと許されるはずも無く
でもせめて謝りたいって、思ったんだ―――――








それでも





わずかでも、また付き合えるかもなんて
期待をしていたかもしれない
















「ごめん」

「あはは、どうでもいいから」

「……どうでも、いい?」

「うん。とりあえず話がそれだけならもう行ってもいいかな?お姉ちゃん大好きな弟が待ってるから」

「あ、じゃあせめてまた友達に戻れないかな」








「無理。私と貴方は、一生他人。じゃーねー」








俺が大好きだった笑顔で
彼女は笑いながら、去っていった
けれど俺は当たり前だが一切を許されること無かった









『一生他人』






そうか
俺のこの罪は、一生俺に被さるのか
そう思うともう後悔のレベルじゃなかった







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