「たつや!!あとらがカウントしたらすぐに逃げてね!!」


「おいガキ、龍哉様だろ?それと突然なんだ「きゃー兎季ちゃん今日も可愛いー!!」


俺の注意は巳乃の高い声で消された
全く、あいつらはどんな躾をしてるんだと思ったが長男は気持ち悪すぎるくらい大人びてるしこの不躾な態度はこの末っ子だけだからまぁ諦めた


「兎季ちゃんカウントってどうしたの?」

「あのねー、あとらいっつもうえーんだから
とおさまがカウントを入れなさいって。そしたら準備が出来るからって」


子供が好きな巳乃は兎季を抱き上げて嬉しそうに笑う
性格がカラッとしていて甘ったれな兎季は巳乃にかなりなついているからこいつらは逢うたびいつもこうだ


「狗藤はもう来てるのか?」

「来てるよー」


二人と抱き上げられた一匹と一緒に、いつも酒盛りをしている部屋に向かう



と、





廊下を曲がるとそこには座布団を持った
ふわふわの銀髪の、利虎をまんま子供にしたような美少女がいた



やべぇと思うが時既に遅い


「あとら!!」

「亜虎ちゃん!!」


銀髪のちびすけは俺を見るなり目を見開いて、



「じゅうきゅうぜろうぇぇぇぇんかあさまあああああ!!」




大泣きをしながら逃げて行った



「…………」

「たつや!!あとらがカウントしたら逃げてっていったでしょ!!」

「龍哉相変わらず亜虎ちゃんに嫌われてるねぇ」

「…………今のどこに逃げる隙があった。実質三秒じゃねぇか」



何故か俺は
真ん中の泣き虫で怖がりな亜虎に怖がられてるらしく、あいつはいつも人の顔を見るなり泣いて逃げ出す


とりあえず頻繁に逢ってるんだから、いい加減慣れろよとため息をついた






まったく、あいつらのガキは変な奴等ばかりだ




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