目を瞑れば、彼女が何処にいるかがわかる
彼女の気は巨大で隠そうとしなければすぐにわかる
─────今更こんな感情を味わうはめになるとは、な
長く生きて、俺からはもう感情や感動は失われたんだと思っていた
けれど実際は彼女が居ないから感情の波が沈んでいただけだと知った
ソラがソウヤと共に何かをしている。それだけで腹の底がむかむかする
ゆっくりとそちらに迎い歩を進めながら、思うのはやはり彼女のことで
ソラは、家事なんかしなくていいのに
ソウヤが家の事はすべてやるから彼女は俺の側にいてくれるだけでいいのに
彼女は細々と働き回る
それだけソウヤと共に過ごす時間が増えるのはあまり気分がよく無かった
だけど、
「リク様っ、御食事の支度が整いました。今お呼びしようと思っていたところなんですよ?」
「おいで、ソラ」
ほんわかしたソラは笑顔のまま近づいて、その小さな肩を抱き寄せると少女のように頬を染める
「リク様のお好きな物をがんばって作ったので、喜んで頂けたら嬉しいです」
「ソウヤに聞いたのか?」
「はい」
彼女の行動は結局全てが俺に帰依する
彼女はいつだって俺のために一所懸命なんだ
そんなソラがかわいいから
「楽しみだな」
結局ソウヤに嫉妬をしても、彼女の好きにさせるんだ
『彼女の心が移り変わることは無いって、俺が一番よく知ってる』
帰