「……」

「いや陛下、さすがにこれは怒られますって」



冬が来て
本性が蛇なアティは寒さに弱いのかどこでも突然崩れ落ちるように眠るようになった

そんな彼女を暖め抱き締めるとまるで卵が孵化するように目覚めて「るーくん、はよぉ」と言うのがまた可愛いんだが……




とりあえず暖めないかぎり、起きないので
せっかくだから調子にのって着せ変えてみた


わざわざ暖炉を消して、部屋を寒くし
レンに後ろを向かせて城のメイドが着ている服を着せてみた
















壮絶に、可愛かった







こんなメイドがいるのならば即、雇うだろう
口では諌めつつもレンも同感なのかレンもじっとアティを見つめていた


「黙っていれば、可愛いんですがね」

「黙っていても、だろう。いつも可愛いじゃないか」

「……まぁ陛下にはそうでしょうね」


耳に馴染んだ『るーくんだっこー』の声が懐かしい。まだアティが寝て半日もたっていないのに

……………

元気にはしゃぎまわる彼女を思い浮かべるとどうしても、その声が聞きたくなって




俺は怒られるのを覚悟でアティを抱き締め暖炉に火を入れた
パチパチとはぜる薪の音はまるで馬鹿な俺を笑っているようだった












『笑って、声を聞かせて』









ぱちり

「おはようアティ」

ぬぼぉっと辺りを見回してとりあえず俺にぺったりと抱き着いたアティは

ゆっくり自分の服装を見て、首をかしげたが────














「御奉仕、してあげよっか?」







ニヤリと妖しげな微笑みを浮かべると、そのままシャツのボタンを噛んで俺の欲を誘った



俺はまだまだ、アティの性格を理解できてなかったらしい










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