「ぽんぽんいたい」

「は、がきくせぇ」

鼻で笑ってリビングを出る彼の後ろ姿を見ながら切なくなる
彼の毒吐きなところもずっと一緒にいるからわかってるけれど


辛いときや痛いときにつれなくされるとぐっと悲しくなる

うー、とお腹を抱えてソファの上で足に顔を埋めてうずくまる



いたい。いたいよ
おなかも、こころも、いたいんだよ


「ふぇ……」

痛くて悲しくて、堪えきれない涙が滲み出した

倦怠期、なのかな
嫌われた、のかな
だいすきなのに、もうだめなのかな

本格的に涙がポロポロとこぼれ出す






ふわぁ


突然暖かい何かに覆われてハッとして顔をあげるとフリースのブランケットを頭から掛けられていた


「女が身体を冷やしてんじゃねぇよ」

もぞもぞと、ブランケットから顔を出すとしかめっつらの彼がぎょっとした

「おい、そんなに痛いのかよ」

「ちがう、けど……」


慌てて薬と水を持ってきてくれた彼に微笑みがこぼれおちる





さっきより、もっともっと大好き
冷たくて、暖かくて、優しい君が大好きなんだよ



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