あの卵の黄と黒の模様は寅柄だった
意味がわからん。虎は卵から産まれないことくらい俺だってわかる、わかっていたが───











この状況はなんだ









風呂からあがり、真っ先に視界に入った卵は真っ二つに割れていた
不思議と汁とかは出た形跡は無い




そして巻いておいた布団に噛みつき振り回し遊ぶ────────小さな虎。


『が〜うぅー!!う゛!!』


非常に楽しそうだ。そしてめちゃくちゃ可愛い
仔猫と大人の猫の間くらいの子虎は、子供だからか毛がふっわふわしてて可愛らしい

ヤバイ、猫派の俺にとってこれは堪らない


『がうっ!!』

「うわー……」

こてーん、と
腹を出して転がりきょとりとしながら目を瞬かせるそれと眼があった
すると金色の眼が爛々と輝き、ばっとおきあがったソレは勢いよく俺に飛び付き


『ぅー!!』

「いっでぇええええ!!」






小さいながらもしっかりと生えた牙で噛みついた。





これが俺と卵から産まれた不思議なペット、利虎との出会いだった



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