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[2]干支物語2
by 海華
2011/01/16 04:08
管理人:干支物語
プレゼント:兎のぬいぐるみの山etc
「……」
ちらちらと辺りを窺い、誰もみてないのを確認して――――――さっと白い小さなぬいぐるみを袖の中に隠す
そのままさささっと部屋のすみに隠れて、袖から戦利品を取り出して確認する―――ふにゃりと笑みがこぼれて、ふわふわのソレに頬擦りをする
來兎様みたい
かわいい、かわいい、気持ちいい
「………」
くるっと、『利虎』と書かれたコーナーを振り向いてそぉっと誰もいないのを確認して………
忍び足で、ゆっくりぬいぐるみの山に近寄る
どうしようどれもかわいいんだけど。どうしよう、選べ無いよ――――『利虎殿は、』
「ひゃっ!?」
急に聞こえた声に驚いて辺りを見回すも、誰もいない
ばくばくと鳴る心臓を押さえて深く深呼吸をする。気のせい、かな?気のせいだよねぇ……
『僕だけじゃ、満足できませんか?』
もぞもぞと
ぬいぐるみの山の中から、完全に同化していた、白い、ふわっふわの、
ら、來兎様が出てきて
見られていた恥ずかしさで真っ赤になり、涙目でぶんぶんと首を横に振る
「やっ、ち、違いますっ、これは、そんなじゃなくて、來兎様が居れば満足ですけど…ず、ずっと一緒にいれないですし…」
『では』
ぽんっと彼が人型に変わり、そっと腰を抱き寄せられてその手の中に収められる
「なるべく側にいてあげますから………ぬいぐるみは2/14まで我慢出来ますね?」
「………い、一個くらいっ…」
「僕とぬいぐるみと、どちらが良いですか?」
「…………來兎様が一番です」
よしよしとあやされながら、部屋のすみに持って行った來兎様にそっくりなぬいぐるみをじぃぃぃっと名残惜し気に見つめた
いま欲しかったなぁ………あのふわもこ
『虎のお預け』
(子々に亥狩みたいなぬいぐるみまで……)
「來兎様?どうしました?」
「いえ、なんでも」
にこりと微笑んで彼女を膝に乗せたままギュッと抱きしめる。
そして彼女が他所を向いた隙に………さっと鼠と猪のぬいぐるみを隣の『龍哉』のコーナーに飛ばした
百歩譲って、ぬいぐるみを抱き締めるのは良いですが
さすがに他の奴を抱き締めてるように見えるものなんて、僕は嫌ですよ?
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