42 行こう


「・・き、・・・て」

操との戦闘でマークニヒトにマークザインごと飲み込まれてしまった。ミールと島との全面戦争が行われる中で、一騎は聞こえてきた声にようやく意識を取り戻した。

「ナマエ・・?」

目を開ければ、間近にその姿があった。

「行こう、一騎。みんなを守りに」
「・・ああ、」

白い光に包まれて、意識は完全に覚醒する。

「う、わああああああ!」

激しい痛みを覚える操。その身体からマークザインが現れる。

「操!」
「ナマエ・・っ!」

遥か上空にて2機の機体が対峙する。

「僕はもう、選ばされているんだ!」

悲しい叫びに、一騎とナマエは目を合わせ、そして操を見つめた。

「貴方は、私」
「俺は、お前だ」

2人がそう唱えると、操の腕が同化し、そして砕けた。

「これ、は・・」

ニーベルングシステムから引き抜くことが出来た自分の手を見つめてハッとする。

「なにを・・これじゃあ、一騎とナマエが!」
「・・っ」

急速に同化していく一騎とナマエ。2人はギュッとその手を握った。

「いやだ!消えないで!一騎っ・・ナマエ!」

マークザインを抱きしめるマークニヒト。それは同化の光で包まれる。

「ミール!!僕はもう、戦いたくない!!」



ーーーパリンッ


「・・っナマエ、大丈夫か」
「・・うん、」

同化から解かれ、痛む身体に力を入れる。

「私は総士の所へ行ってくる」

そしてナマエはそう言ってミールの方へと視線を向けた。

「総士を、頼む」
「うん」

ナマエの身体がフワリと浮かび、一騎から離れる。

その寂しさを隠しながら、一騎は微笑むナマエに微笑み返した。一刻も早い帰りを、願いながら。















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