「あ」 「どうした?」 「今日何曜日だっけ」 「…木曜だが…」 「だよねぇ〜…」 はぁぁ〜と重くため息を従弟がついた。 俺があまり好いていない親父のお気に入りの従弟様だ。別に嫌味ではないが。 「それで?どうした?」 「いやぁ〜連休ありすぎて曜日感覚狂っちゃってさ、持ってくる教科書間違っちゃったんだよ」 俺からしたらなんとした緊急事態なのに従弟様はなんとも呑気である。 「よくそんなのほほんとしていられるな」 「や、だって別に教科書忘れたぐらいで慌てることなくない?」 …あぁ、そうか。 『お前はほんと堅いな』 そういうことなのか? 「…教科書ぐらい俺が貸してやるさ」 「え、いいの?」 「あぁ」 「今日は木曜日だからな」 |