小話 | ナノ



雅←カル♀ 2014/12/18 (23:31)


自分が弱っているところを見せることになるとは思わなかった。辛辣な言葉を投げられ、いつもなら躱すところもなぜか今日はそうもいかなくて、じわじわと視界を歪ます瞳を止めることも出来なかった。乾いた笑いを零した後、そこから逃げるように走り、偶然見つけた彼の背中へタックルをかました。大きいから目立つのよね。ぐすぐすと鼻をすする私に、はあ、とため息をついたけれど、離れろなんて言わないのね。泣いてる女の子を放っておけない優しさが、なんだか今は痛くて。私じゃなくてもきっと、この人は背中だろうが胸だろうが貸してしまうのだろう。私はこの人の特別になれたらいいと思っていたけれど、それは、無理な話だった。


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