小話 | ナノ



鳴御 2014/12/15 (00:03)


あの日見た夕陽を君は覚えているだろうか。なんて詩人にでもなったつもりで。河川敷に二人きり、寝転んでオレンジ色になった空を見上げて夢を語った。お互いがいればそれでいい、そんなことを言ったような気がするけれど、覚えているかな。利き手同士を繋いで、なんだなわからないけれど、お互いのことをわかった気になっていた。そこらの奴らよりはもちろんわかるけれど、それでもまだまだわからない。愛の言葉の一つでも伝えれば、きっと関係は変わるのだ。それも、いい方向に。いい方向に変わるとわかっているのに一歩が踏み出せないのは、お互いに臆病だからなのだろう。傷ついた手を守れるのは自分だけだと思っていたのに。俺は王子様になりたいのに、一也はそれすらもさせてくれない。無理にでも攫って、手の届くところにいてもらうべきだった。

2014/12/14 23:49


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