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prepared myself
ゆ「家族に幸せになってもらいたいと思う。当たり前でしょう?普通の道から反れるってことは、それなりの覚悟が必要よ。」
02歩[わかってますよ、そんなこと。でも、それでもすきなんですよ。仕方ないでしょう。覚悟なんて、好きだってわかった瞬間もうしている。
…常軌を逸する準備は、できた。あなたに話す、それが表れですよ。
ゆ「…そう、その表情からして、覚悟は出来てるのね。なら、しっかりあの子を見て。あの子を幸せにすることだけを考えて。
んでもって、私に一発、殴らせなさい。」
歩「…どうぞ。殴られるような気はしてました。」
燈「…なにやってんだよ、捜したぜまった…まさかの店の裏にいるって言う…ここ、客は立ち入り禁止なんだけど。」
歩「あ、先輩、偶然ですね」
燈「んなわけあるか。捜してたんだからあえなきゃ困るんだよ」
歩「そうでしょうかね。なにか御用があって捜していたんでしょ?あながち、ゆきのさんに「捜してこい」って言われたんでしょう?」
燈「…なに言われたんだよ、珍しいな、余裕ないだろ」
歩「ないですよ、だから?」
11歩[いくら腐女子のゆきのさんだからって、簡単に歓迎してもらえるとは思っていなかったが、あの人の表情に映っていたのは、明らかな不安だった。
わかってる、わかってるんだ。でも、時間をかけてきたつもりだった。時間をかけて「こいつなら任せても平気だろう」と思わせるつもりだった。
あまかった、俺が、甘かった。甘く見ていた。物事を軽視しすぎた自分にいらいらする。]
燈「…それで、あきらめるか?」
歩「あきらめると思っているなら、あなたは俺のなにもみていないことになりますが」
燈「おまえなぁ…心配してやってるって解れよ」
歩「わかってます。」
燈「本気で余裕ないな、調子狂う。」
歩「ふふふ、俺は先輩が好きです。」
燈「みゃ、脈絡のないこといってんじゃねーよ!」
歩「すみません、大好きです、先輩」
燈「あやまるなよ!!」
歩[この人を心配させてどうする。いらいらしてる。またいらいら。
でも、すごく幸せだ。この人が照れながら、文句を言いながら、俺の隣にいてくれる。
最初は確かに仕組まれていた。翔に頼まれて、この人を塀国先輩から遠ざけるために、出会った。あのときの翔は、今までにないくらい、輝いていた。]
翔「あのなぁ…お前はお子ちゃまだからわかんないかもな」
歩「翔にお子ちゃまっていわれるの、すごく心外」
翔「誰か一人を本気で見たいたい、その人が隣で笑っていてくれれば幸せって人が現れることをねがっているよ。」
歩「むかつく…翔のくせに。」
翔「見つけてから言えよばーか」
燈「何ボーッしてんだよ」
歩「先輩、俺は、常軌を逸する準備、出来ましたよ」
燈「…は?さっきから脈絡なさすぎだぞ」
歩「先輩をしあわせにしてみせます。」
歩[そう、覚悟は出来たんだ。出来ていたんだ。
ゆきのさんに叩かれた左頬に触れる。まだ少し熱を持っていたそこは、俺の覚悟の証だろう。
…もしかしたら、普通の、一般的な幸せはあげられないかもしれない。でも、俺だけしかあげられない幸せをあげるから。]
燈「ばーか、しかたねぇから幸せにされてやる」
歩「本当はうれしいくせに」
燈「べっつにそんなこと…!!」
歩「ふふふ、はいはい」
歩「prepared myself」
燈「覚悟は、できた」
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