きみへ

拝啓

チャオ、ですね。日本は桜が散り、若葉が出始めた頃です。

私が最後に笑ったのは、手紙が届いた今日です。ルヅァイさんからも、「名前様ってそんなに笑うんですね。」って言われました。きっと心から笑ってたんじゃないかなって思います。だから、今日です。
今日は朝から良いお天気です。真っ青な空に雲が一つぽかんと浮かんでいます。浮雲です。恭さんです。風も気持ちよく吹いています。太陽もきらきらと輝いていて、とても爽やかな日です。しかも、ビアンキさんが黒猫を拾ってきたんです。まだ子猫なんですけど、その子が、私の指を甘咬みしたり舐めたりするんですよ。恭さんよりずっと甘え上手です。でも気まぐれさんで、興味が失せると私につんつんした態度をとるんです。可愛いです。黒い毛に、気まぐれな性格って、まるで恭さんみたいだな、なんて思いました。時間があるときに是非見に来てください。あ、でも猫気質同士は合わないらしいですね。うまくやれないかも。
雲雀さん、この手紙が届いた雲雀さんの今日は、どんな日でしたか？

仕事が一段落したら、会いにいきますね。多分秋に入った頃には行けると思います。

苗字　名前

敬具

ルヅァイが終わったと思ったら今度は猫か……。しかも甘咬みって、どうなの。なんか悔しいから、会いに行くの止めようかな。来るって言うし。今日……今日はあまり良い日じゃないな。草食動物を一匹逃がすし、骸にからかわれたし、手紙でもこの有様って。天気も悪い。すごい雲。あれが僕っていうのもな……。あ、骸。今はいつも以上に会いたくないんだけど。溜息をついたら「全部顔に出てます」と言われた。どういう風にと訊くと、くふんと笑った。なんだこいつ。「愚問ですね”寂しい”ですよ。まあほったらかしの名前の方が寂しいとは思いますけどね」僕が、寂しい。ああ、そうかもしれない。
言われると急に、名前に会いたくなった。骸というのがしゃくだけど、今は感謝する。今から沢田の所に行って有給を取ろう。早いうちに行って黒猫からもルヅァイからも獄寺の姉からも、寧ろ日本支部から名前を取り上げてやろう。あ、恭弥君！と叫ぶ骸を無視し、ボスの部屋へ急ぐ。それから片栗でも贈ってやろう。勿論手紙付きで。
片栗の花言葉は『嫉妬』


今日はどんな日でしたか？