※夢主が若干変態です
人っ子ひとりいない日中の炎天下の公園。日陰を求めて東屋に私とカカシ先輩はいた。
「わー垂れてきた!」
「お前まだそんなちんたら食べてるの?」
「先輩が早すぎるんですよ」
ものの数秒でアイスを食べ終えてしまった先輩は、隣で愛読書を読んでいる。
この暑い中でもカカシ先輩の顔半分は口布で覆われていて、暑くないのかと疑問に思うけれど、先輩は汗ひとつかいていないし暑さを気にもしていないのか涼しげだ。先輩の滴る汗をこっそり採取する計画だったのに残念だなあ。
アイスを貪る私と、読書するカカシ先輩。
普段なら子供たちで賑わう公園もこの茹だるような暑さのせいか人っ子ひとりいない。二人だけの公園はとても静かで、蝉の鳴き声だけがひたすら鳴り響いている。今いる東屋は日陰だからまだマシだけど、遠くの方はジリジリと歪んで見えるから相当暑そうだ。
「アイス食べたら少し生き返りました」
「よかったね」
「あ、先輩の棒も一緒に捨てておきますよ」
「ありがとう」
先輩の棒を受け取って少し離れたところにあるゴミ箱へ向かう。ゴミ箱の前で先輩からは見えていないことを確認してベストのポケットから丸めておいたジップロックを取り出した。先輩が舐めた棒、すなわち、先輩の唾液がついた棒をこの私がみすみす捨てる訳がない。ジップロックに入れて持ち帰って、後でこの棒を……はあ、やばい。考えただけで興奮する。
「何やってんのよお前」
「ぎゃああああ先輩!?」
先輩が後ろに立っていたことに全然気付かなかった。やばい、ジップロックの存在ばれた。
「その袋は何?」
「これは別に先輩の唾がついてるから後でぺろぺろしようとかそういうんじゃなくてですね」
「はいはい」
「そんな蔑むような目で見ないでください!興奮します!」
「お前、任務の時もよくオレの弁当の割り箸持ち帰ってたよね」
「割り箸だけじゃなくストローもです」
「へー」
「本当は先輩の生活ごみも全部私が引き取りたいくらいなんですけど、流石にそれは引かれるかなって」
「割り箸もストローもドン引きだよ」
カカシ先輩は蔑むどころかもはや目も合わせてくれなくなった。人間として認識すらされて貰えなくてなったということだろうか。
「そんなゴミ集めて何が楽しいんだか」
「ごみじゃありません!これらはカカシ先輩のエキスが含まれているんですよ!好きな人が口を付けたものはペロリたくなるじゃないですか!」
「……なら、試してみようか?」
「え……んんっ」
カカシ先輩の顔が近づいたかと思えば、先輩の顔がすぐそこにある。もしかして、キス……されてる?
突然のことで目を閉じるのも忘れてしまい、目の前の先輩の顔をただただ見つめることしかできない。先輩、なんでこんなこと……。
ようやく唇が離れて、私は呆然とカカシが先輩を見つめた。
「あ、あの……」
「いつもやってるみたいに舐めてみなよ」
どうしてこんなことするんですか。理由を聞く前に再び唇を塞がれた。息苦しくなって酸素を取り込もうと僅かに開けた口からカカシ先輩の舌が捻じ込まれて口内を舐め回す。私が舐める余裕なんて少しも与えてもらえない。
段々と意識がぼーっとしてきて、蝉の鳴き声が他人事のように遥か遠くで聞こえた。この体の熱は、この暑さのせいなのか、それともカカシ先輩の所為なのか。
唇を離した先輩が、ニヒルに微笑んだ。
「オレはやっぱり、好きな人は直接舐めたいけどね」
今日もカカシ先輩がかっこよすぎて、くらくらする。
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実はこの変態夢主にはモデルが存在する。