拍手LOG | ナノ
ガラス越しに灯りがともる。
まだかまだかと待ちわびていた彼がもうすぐやってくる。
わたしはカカシさんの風呂場の鏡。
カカシさんが引き締まった体を惜しげもなく晒しながら入ってくる。
カカシさんの体を目に焼き付けるのが私の至高の楽しみ。
今日もなんて美しいの。あまりの美しさに見惚れてしまいそう。
よく見ると胸に昨日はなかった切り傷がある。
カカシさんの肉体美に傷が!
でもそれさえも美しく感じてしまうのはカカシさん自身の魅力。なんて罪深い方なのだろう。
興奮しすぎてミラーが曇ってしまった。これではカカシさんの裸体が拝めない。
カカシさんが頭からシャワーを浴びる。
水分を含んで垂れる髪。
それを鬱陶しそうに掻き上げる姿が堪らない。
濡れた体は更に美しく筋肉は光沢の輝きを帯びている。
目眩かしら。視界が霞む。
せっかくのカカシさんの裸体が!
すると急にお湯をかけられて視界がクリアになる。
目の前にはカカシさんの顔。
少し気怠そうな瞳がこちらを向いている。
なんて素敵なお顔なんだろう。
もっと近づきたい。
ずっとその顔を見ていたい。
でも私はここを離れられない。
離れてしまえば私は木っ端微塵になってしまうから。
カカシさんの逞しい背中が遠ざかる。
シャワータイムが終わってしまう。
カカシさん行かないで!
強く念じるとカカシさんが振り返った。私の気持ち気づいてくれた?
しかし無情にも私とカカシさんを別つ扉が閉まる。
できることならずっと一緒にいたいけど、あなたがずっとここにいては命に関わってしまう。この1日に1回、数十分の逢瀬が私たちに限られた時間。私はその数十分が堪らなく幸せで、堪らなく愛おしい。
そして私は明日も明後日も、その次の日も、ここで貴方を待ち続ける。
貴方をこの目に焼き付ける為に。



ミラー越しの恋

-----
カカシの部屋の浴室の鏡になったらカカシの裸見放題だなって気づいてしまい生まれた話。
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -