ワンだふるでいず | ナノ



ゲンマにお世話になる予定がカカシにお世話されてます。




「はい、どーぞ」


差し出されたのは皿に入ったミルク。あの後お風呂場に連れて行かれて体を洗われたから喉渇いてたんだよね。あ〜潤う。


「どう?おいしい?」


カカシの問いに嬉しそうに飲むことで応えてみせた。言葉以外で表すって難しい。


「よかった。オレ風呂行くから良い子にしてるんだーよ?」


カカシはあたし頭を撫でてから奥にあるバスルームへと消えた。

ドッと体中の力が抜けてその場にごろーり。カカシんちはよく来るけど、ワンコの視点だと部屋がすっごく広くみえるし家具は巨大な障害物。人型の時と見ている物は同じはずなのに違く見える。
でも一番変わって見えるのはカカシだ。カカシとは普段会えば憎まれ口しか叩いてなかった。他の人には優しいのにあたしには意地悪ばかり。だからカカシに優しくされたり頭を撫でられたりするのはどうも慣れない。カカシってこんなに優しかったんだなあ。











今日、真っ白な子犬が空から降ってきた。おかしなもので、その犬は朔によく似ていた。別にアイツが犬顔ってわけでも犬が人間の顔をしているわけでもない。ただ雰囲気が似ているだけ。

風呂から上がるとサクはソファーの上で丸くなって寝ていた。その前に腰を下ろして冷やした缶ビールで喉を潤す。再びサクに目をやる。寝顔も似てるな。里を離れている同僚を思い出し顔が緩むのがわかる。アイツが里を離れて約10日。難しい任務じゃないらしいから明日には帰ってくるだろう。大福でも買ってやろうか。それからお前似の犬を拾ったんだってサクを紹介してやろう。

そんなことを考えながら深い眠りについた。





◆奇妙な同居生活が始まりました
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