ワンだふるでいず | ナノ



ようやく餌……じゃない、ご飯にありつけた。ドッグフードをおもいっきり拒絶した甲斐もあって、白米にみそ汁をかけたネコまんまが出てきた。


……あたし、ニャンコじゃなくてワンコなんだけど。


ま、いっか。いただきます。カカシはなんかフツーの食べてる。ご飯にみそ汁に魚に煮物に。ちゃんと自炊してるんだね。なんか意外。




ご飯を食べ終わった後、カカシはお風呂の支度をし始めた。


「サクも一緒に入る?」


誰か助けて下さい!
変態がいます!

昨日は、カカシは服を着たままで袖を捲くりあげて洗ってくれただけだったのだが、今日は一緒に入ろうだとおおおお!?
内心大パニックに陥っている間に足が宙に浮いた。


「暴れなーいの」


離せ変態いいい!!
手足をジタバタしてみるが、抵抗も虚しくお風呂場へと連行された。






わしゃわしゃわしゃわしゃ…。

全身泡まみれ。カカシに頭洗ってもらってます。あーそこそこ。耳の裏あたりちゃんと洗わないと痒くなるんだよねー……痛ッ!泡目に入った!しみる!ちなみにお風呂場へ連行されてからワタクシ、一ミリたりともカカシを視界に入れておりません。だってカカシの裸なんて見たくもな――


(――ッ!?)


ちょっ…!この変態今どこ触りやがった!?頭を洗っていたカカシの手はいつの間にか体(胴)にまできていた。く、くすぐったい!!耐えられず逃げ出そうとしたのだが、自分も床も泡まみれなわけで…


滑った。それはもう盛大に。


カカシが笑いながらシャワーで泡を流してくれた。笑いながらっていうのがむかつくな。
桶に張られたお湯に入ってカカシが洗い終わるのを待った。もちろん、カカシの方は見ないようにして。


あたし、これからどうなっちゃうんだろう。戻る気配もないし。もしずっとこのままだったら、こうしてずっとカカシに面倒みて貰うことになるのかな。あ、でも足の怪我が直るまでって行ってたっけ。この家追い出されたらあたし、どうなっちゃうんだろう。


「待たせてゴメーンね」


ひょい、と桶ごと持ち上げられ湯舟にイン。ぷかぷか浮く桶は安定が悪くて、少しでも動けばひっくり返りそうだった。っていうか、目のやり場に困るんだけど!なるべく桶の底に視線を向ける。この浮遊感やばい……酔ったかも。


「サク!?」


バシャーン!!


桶がひっくり返って浴槽の中へと沈んでいくのがわかる。意識も朦朧としてきてカカシの声が遠くで聞こえた。




◆一緒にお風呂に入りました
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