『何やってんの?』
目覚ましが壊れていた。
昨日の朝6時30分から全く時間が進んでいなかったのだ。
いつもなら通勤通学の人々でいっぱいの駅前がやけに静かだった時点で気付くべきだった。
あのクソ目覚ましが、なんて思いながら靴を履き替えていると、自分以外にも誰か登校していたことに気がついた。
塚原優奈だ。
こんな朝早くに何で登校してんだろう
そう思って教室にむかった扉は開いていた。
中からは人の気配がする。
音をたてないように教室内を覗くと、そこにはほくそ笑みながら自分の教科書を破いている塚原がいた。
私には全く気付かない。
とりあえず教室に入り、掃除用具入れにもたれ掛かって延々と教科書を破る塚原を見ていた。
途中、写真を撮って証拠を残そうと思い立ち、カメラを取り出してシャッターを押した。
それでもやっぱり気付かない。
写真を確認すると、丁度自分の教科書を破いている塚原が写っていた。
コレ使えるわ
塚原のほうに視線を戻すと、次の作業に移ろうとしていた。
向かったのは私の机
中から物を取り出し破こうとしたところで塚原に声をかける。
そして冒頭にいたる。
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証拠確保
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