「おはよう名前ちゃん」

『おはよう、不二君…』

「あれ?なんだか元気ないね」


『そんなことないよ?』


「最近手塚とはどうなの?」

『何でそう確信をついてくるかなぁ』




不二君と私は同じクラスだ。
そして私は不二君の事が怖い。


「酷いなぁ…
手塚と付き合えるようになったのは誰のおかげだと思ってるの?」

『不二君です…』



ごめんなさい
謝るから勝手に心読まないで


さっき不二君が言った通り、私は手塚国光君と付き合っている。
最初は私の完全な片思いで、そんな恋が実るなんてこれっぽちも思ってなかった。

いや、叶わなくてもよかったんだ。
だってあの手塚君だもん





なのに、ちょうど2週間前……







「名前ちゃんは手塚が好きなんだよね」

『えっ…?何でそれを?』

「ごめん読んじゃった☆」

『何をっ!!?』

「心」

『ぇえ!!!』

「協力するね」

『………』





と、不二君は(無理矢理)手塚君との接点を作り、ここまで持ってきてくれた。


とても感謝している。




「で、何で落ち込んでるの?
手塚に何か言われた?」


『ううん、そうじゃないの…
ただ、手塚君が無理してるんじゃないかって思って…』

「どういうこと?」


『告白したのも私からだし、断れなくて仕方なく私と付き合ってるんじゃないかな』

「どういうところが?」


『…………好きって、言ってくれないなって…』


「………あの野郎」

『え…?』


「ううん、何でもないよ
今日も手塚と帰るんだろ?」


『うん
でも、迷惑じゃないかな…
部活終わるまで待ってるなんて』


「悩み事はすぐに解決したほうがいいよ」



『うん……』







放課後か…
なってほしくないな…






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