好きな子ほどいじめたくなるって言うだろ?
今までの俺だったら好きな子なら大事にしたいし、いじめるなんて論外だって思ってたんだ。

でもさ1人だけいるんだ。好きだからいろんな表情が見たい。もっと俺に話しかけてほしい。
そんな女の子が
この世にたった一人だけ…

ね、名前








『…なんか今寒気したんだけど』

「気のせいだよ名前」


朝のHRで寒気がした。
ふと隣を見ると超笑顔の幸村精市。女の子なら誰でも絶叫する笑顔は私にとって恐怖でしかない。

何故ならコイツは信じられないほどのドSだから。好きな子ほど虐めたくなるって言うけど、コレはやりすぎじゃね?


「何失礼なこと考えてるの?」

『勝手に心読んでんじゃねぇよ』

「読んでないよ。名前の事ならなんでも解っちゃうんだ、俺」

『誰か助けて』


ホント、無理だわ。てか、何で席替えしても席替えしてもこの男と隣なんだ…


「ちょっとだけ細工したからね」

『やっぱりお前のせいかよ』


わかってたけどね!!






一時間目は世界史。私の最も嫌いな教科
そして最も眠くなる教科だ。


「眠そうだね名前。目、覚まさしてあげようか?

『激しく遠慮します』


コイツ何するつもりだったんだろう
何でチェーンソー持ってんの?

つか、どっから出した!?ほらほら先生がドン引きしてんじゃんか…。


そうだよね、怖いよね!!この男と同じクラスになった時点でNOTラブ、NOTピースだもんね!!

私なんか隣の席だから毎日地獄だよ!!


「何言ってるの?俺が隣にいるんだから最低でもここは天国だろう?」

『天国より上の世界なんてあるの?』


あぁ、あるか。幸村の独裁国家だけどね。
誰も幸せになれないね!!


「ほら、もう授業終わったよ」

『えぇえ!?
ヤバい!!全然ノートとってない!!』

まぁでも、幸村だって一緒に喋ってたからノートなんて書いて………


『…………って、すごっ!!何そのノート!!超書いてんじゃん!!いつの間に!?』

「名前がペチャクチャ喋ってる間にだよ」

『お前も喋ってただろうが』


なんて野郎だ。てか、ノート写さしてほしいなぁ。

「いいよ」

『え、いいの!?』


なんだなんだ!?今日は幸村が優しいぞ…
勝手に心読んだけど!!
今日はノートを手渡す幸村の笑顔がなんだか天使に見える…

いや、善意?企み?
どっち!?

『あ、ありがとう…』

「どういたしまして」


借りちゃった!!





『よし…ありがとう幸村
助かった』

「じゃあ、何してもらおっかなぁ…」

『え?見返りいるの?』


先に言えよ!!てか、あの笑顔は企みかッ!!!!


『このドSが!!』

「神の子になんて事言うんだよ」


お前は神の子じゃなくてただの大魔王だろうが!!見返りって何すりゃいいんだよ!!


「う〜んそうだなぁ…」

『何度も言うけど勝手に心読むな』

「あ、そうだっ!!」

『無視かよ』

「俺の彼女にならない?」

『は?』


とんでもない事言いやがったんだけどコイツ。てか、やだよ!!
幸村なんかと付き合ったら毎日体がもたない!!いや、精神がもたない!!



「じゃあ、これからは付き合う事前提で俺は名前と接するよ」

『はぃ?』

「覚悟しててね、名前」



青春終わった!!








マジドSです!!
でも、その笑った顔にちょっとドキッとしました!!



(好きだよ名前)
(わかった、わかったからシャーペンで攻撃すんのやめて!!)



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なは@.com様からのリクエスト、ドS幸村でした!!リクエストくださったなは@.com様、ありがとうございました!!

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