苦労人日吉
『というわけで戻りました』
「おぉ!!本当に長太郎か!!」
「はい宍戸さん!!」
「良かった…!!」
「それは一体どういう意味なんですか宍戸さん」
「いや、別に…」
「まぁ良いです。もうそういう展開には慣れましたから」
「…どういう意味だよ」
『それがですね…』
名字が宍戸さんに説明を始めた。
俺と鳳の体は無事に元に戻ったが、昨日鳳がやらかしてくれたおかげで俺のクラスの女子が騒ぎ立てた。
甘ったるい菓子やらなんやらを尋常じゃなく届け、更に犬だか猫だかわからない動物の耳がついたカチューシャを俺に付けようとする奴まで。
極めつけは教師の一言。
“あれ、日吉君今日は可愛くないね”
「大変だったんだな…」
『はい…。もう皆日吉が可愛くないだのなんだの言っちゃって…。』
「俺は何も言われなかった」
「何も言われないようにしてたからな!!てめーのせいで俺ばっかり酷い目にあってんじゃねーか鳳!!!!」
「俺のせいじゃないだろー!!」
「黙れクソ犬」
「……うぅ…」
『こらこら日吉の気持ちはわかるがやめなさい。鳳がここで泣いたら完全に日吉が悪人だって事がバレちゃう』
「俺は悪人じゃねぇよ!!!何お前まで便乗してんだ殺すぞ!!」
『か弱い女の子に殺すだなんて口が悪すぎるなぁ』
「誰のせいだと思ってんだコノヤロー」
完全に俺は巻き込まれ型不運になってきている気がする。立海のジャッカルさんや宍戸さんと同じようなくくりになってないか、俺!!!
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