何か俺ばっかりかわいそうなんだが
ビックリするほど騒がしかった保健室は、何とか落ち着いた。
というのも、何回目かわからない日吉と鳳の状況説明(鳳はほとんど役に立っていなかったが)で、やっと状況が飲み込めたからだ。
『で、つまり話をまとめると、廊下からスキップで飛び出してきた鳳が、イライラしながら歩いていた日吉とぶつかり、それが原因で体が入れ替わってしまっているって事?』
「そういう事だ」
鳳(中身は日吉)が腕を組んで頷く。一方日吉(中身は鳳)は目を真っ赤に腫らして正座している。めっちゃ可愛い。
『何かあれだね。中身が変わるとこうも日吉が可愛く思えてしまうもんかね』
「うぅ〜…」
日吉(中身は鳳)…ちょっとこの表現面倒臭いな。
まぁいいや。日吉の頭をグリグリとなでると変な声で唸った。
『それよりどうすんの?先輩達には話してもいいと思うけど、クラスの皆とか家族とか』
「あぁ…お前俺の振り出来るか?」
「え、俺が日吉の振りするの?泣いていい?」
「
ふざけんな」
「(泣)」
『………』
「何してんだお前」
『…日吉の泣き顔とかレア過ぎて』
「写真撮ってんじゃねぇよ。てか体を戻す方法を考えるのが先だ。お互いの振りならどうとでもなるしな。鳳お前絶対俺の姿で泣くなよ。絶対だからな。」
「…頑張る」
「誓え」
『こらこら日吉、苛めないの。鳳も頑張ろう?クラスには私も一緒なんだし、ね?』
「うん!!!」
「何だこの俺と名字との差は」
『日ごろの行いでしょ?』
「…………畜生」
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