「なぁ名字」
『ん?何、佐久間』
「お前、好きな奴とかいる?」
『何よ急に…』
名字は生徒会の資料の整理をしていた。
俺はそれをずっと見ながら考える。
奥手で鈍感な源田と超絶鈍感な名字をどうやってくっつけようか…
まず、名字にとって源田が恋愛対象かどうかが問題だ。
『好きっていうのがどんな気持ちなのかそもそもわかんないんだけど…』
「そっからかよ!!!」
なんてこった……
こいつ恋したことないのか…
「そうだな…
例えば、知らずに目で追ったりするか?」
『…目で追ったり……して、ないと思うよ』
「……じゃあ、大人数の中にいても源田だってわかるか?」
『どうかな…幸次郎は背が高いから、すぐにわかるんじゃない?』
「………」
駄目だこいつ。
おいおい源田ぁ…
お前、超大変な奴好きになっちまったんだな…
つか、脈なし?
うわ、ヤバ!!
「あとあれだ!!
名前呼ばれてドキッとしたりとかなかったか?」
『名前呼ばれて……………!!!』
うおぅ!!いきなり名字が真っ赤になってうつむいた。
どうしたんだ…?
まさか……
「したのか……?」
『……う、ん
した、かも………』
前言撤回
源田、脈アリだ
こいつもお前の事、好きみたいだぜ?
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