のろけ



『こ、こうちゃんっ!!!』


「うわぁぁぁああ!!!!」

『え、ごめんなさい?』




び、びっくりしたぁ…
ドリンクをこうちゃんに渡すため、名前を呼ぶと叫び声。

そんなに吃驚したのかな?
まぁ私も力がはいって大きな声で呼んだからなぁ…

落ち着いたらしく、こちらを振り返ったこうちゃん…もとい源田君。
なんというか、複雑そうな顔をして頭を掻いている。


『どうしたの、こうちゃん?』

「あのさ……、こ、幸次郎で……よろしく、お願いします…」

『あ、はい…』


確かに、こうちゃんは呼ぶほうも呼ばれるほうも恥ずかしい。


「ドリンク…、さんきゅ……」

『どう、いたしまして?』



他の人にもドリンクを渡さなければならないので、私は幸次郎から離れた。





*******************


名前がものすごい大声で俺のことを呼んだ。

マジで吃驚した。


昔みたいに呼べって言ったのは俺だけど、こうちゃんはないよな。
この年になってこうちゃんは…。

恥ずかしいし…

こら、佐久間!!何ニヤニヤしてんだよ!!!
おい成神!!!!鬼道に何吹き込んでんだよ!!

くっそ…!!!名前は何かオロオロしてて可愛い!!

違う違う!!話が逸れまくってる!!!

俺が言いたいのは…


「幸次郎で……よろしく、お願いします……」


………………………。




何故、敬語!!!

緊張しすぎて敬語になっちまった!!
やば、情けなさすぎる…





他の奴らにドリンクを渡さなければならないと言って、名前は走って行ってしまった。




また、その走り方も可愛いんだよなぁ…






.

12/35
<< >>