俺が守る

夢を見た。

名前に首を絞められ、記憶を返せといわれる恐ろしい夢…



ごめん名前


本当にごめん
俺のせいなんだ…


ごめん。
もう殺してくれ。
俺を嫌いになってくれ…

俺にはお前を好きになる資格なんてなかったんだ…

俺はお前を守るつもりでいた、
なのに…
ごめんな?

ごめんな、名前






“大丈夫だよ
何も怖くない、鬼道君は悪くない…”




名前の声?
俺の首を絞めている奴の口は動いていない。




名前…?










“大丈夫だよ”







その声が聞こえた途端周りが明るくなった。
首に絡み付いていた腕も外れた…

思い切り息を吸った。
暖かかった。






あぁ…
馬鹿だな、俺は…



名前はそんな小さい人間じゃないだろ?
俺のことを本気で好きになるような奴がそんな小さいこと…



するわけないじゃないか







今度こそ守るんだ、名前を
俺がこの手で。

大好きな、大切な人を…
守るんだ

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