子供みたいに  


定位置×黒曜 です。
名前は日和です。夜宵は固定しました。

何でこんな事になったんだろうか。本来なら、家でまったりのんびり本でも読んでいた筈だ。それなのに、今私の前には笑い転げる名前とフラン、槍を持って笑顔で2人に近づく骸。

全ては、あの二人のせいだ。

◇◇◇

「ただいまー」

バーン、とスキップするようにして帰ってきた名前。こころなしか、無駄にテンションが高い。

「どうしたの…ってあれ」

つかれたーと入ってくる名前の後ろにはナッポーとリンゴ…じゃない、クロームとフランだった。

「どもー夜宵ネーサン」
「夜宵ちゃん…こんにちは…」

いきなりゴメン…迷惑だよね…とショボンと肩をおろすクロームちゃん。全然大丈夫だよ!…むしろ名前がごめんね、ううん、ありがとう、と会話する傍らでてくてくとリビングに向かうフラン。クロームちゃんと顔を見合わせ笑いながら後に続く。

「2人とも紅茶でいい?」
「なんでもいーですー、でも美味しいのが良いですー」
「うん…あ、私手伝う…」

いいのに、と思ったのは一瞬で、あんまり話す機会が無いこの子とおしゃべりはしたいなあ、じゃあお願いしようかな、って2人でキッチンに向かう。名前も部屋から戻ってきたしフランも大丈夫だろう。

◇◇◇

「あははっ、フランそれだめでしょ!」
「名前ネーサンの歌の方がだめですー。おもしろすぎですー」

2人でギャーギャーと騒いでるから何事だと紅茶と貰い物のパイナップルを持ってそこに戻るとさらに笑われた。

「夜宵…!空気、空気読んでよっ!アハハハ!」
「え、なに」

私なにかした?とクロームちゃんと顔を見合わせるとフランが私の持ってるお皿を見て納得顔。

「夜宵ネーサン、何でこのタイミングでそれなんですかー」
「え、…ああ、パイナップル?貰ったんだもん食べなくちゃ腐っちゃうでしょ」
「腐っ…。それのせいですー。今名前ネーサンに歌教えてもらったんですー」

歌?…ああ、あれか。なるほど、だからパイナップルで笑うわけね。

「…フラン、何の歌…?」

まあクロームちゃんに分かるわけはないもんな、私たちの元の世界で有った歌…ってかキャラソンだし。

「ししょーが変態な歌ですー」
「《クフフ、クフフ、クフフのフー》って歌なの。骸さんらしいでしょ?」

二人の説明が端的すぎて多分クロームちゃんは通じてない。仕方なく、細かく説明する。

「未来で私たち、違う世界から来たって言ったでしょ?そこで有った歌なんだよ」

まあ、気にしないのが一番なんだけど、この2人には通じないだろうし。はあ、と吐いたため息は2人の歌にかき消されたのだった。

◇◇◇

「…で、なんですか名字姉。この2人は」
「私に聞かないでよ、っていうか私が聞きたいっての」

溜め息をつく私と骸。目の前にはニヤニヤ笑う名前とフラン。頭痛が痛い…いや、頭が痛い…。それは骸も同じなのか、頭を抱えてる。あ、なんか私骸と仲良くなれそうな気がしてきた。

そんな私たちをよそに、名前のせーの!っていう合図でその歌を歌い始める2人。うしろで犬ちゃんが笑ってるのが分かる。クロームちゃんは心配してくれてるな。千種くんは、うん。めんどうだもんね、そうだよね。

…私今日無事に帰れるのか?命取られるほどではない…と思うけど。心配だよ…。
そして歌もサビを終え、一番を終わらせる。ついに我慢の限界にきたのか、骸が立ち上がった。

グサッ!刺さったのはフランのリンゴ。名前の方にきたのは辛うじて避けたみたい。

「ねえねえ!骸!!僕たちの歌どうだった?まだ一番しか歌って無いけど!」
「ししょー痛いですー、なにすんですかー」

うまかったでしょ!ね!?と反省する様子のない名前にまたも槍が飛んでくるが、するりと避けて。

「一応聞いておきましょう、名字妹。それは誰の歌なのか、そして何故僕を見ながら歌うのかを!」
「私名前ね!まあ妹だけど!もちろんあんたのだよ、うまいでしょ!」

ねーフラン!そーですよー、あんな変な歌、ししょー以外に歌える人いませんー。

馬鹿にしてるなぁこいつら、と今日何度目か分からない溜め息。もういいや、千種くんがお茶出してくれたからそっちに行こう。


たまには子供みたいに、楽しもうよ



(あー楽しかった!)(名前怪我は?)(無いよ、向こうも手加減してくれたし)(そっか)(まあこれでフランも楽しめたかな?大人ばっかでつまらないもんね)(…それが、本当の狙い?)(さあねー)

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時雨様ありがとうございます!
こんな感じに仕上がりましたが如何でしょうか!

名前(日和)はただのバカではないのです。って言いたかっただけです。なにかを企むバカなのです


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