inzm | ナノ

□ハロー、小さな未来のマイハニー




吹雪青年と春奈と吹雪少年で突発パロディ文
オチはないしいきなり始まっていきなり終わります。












「あ、見ー付けた」
男の人のそんな声が聞こえて突然視界が真っ暗になったと思ったら身体がふわりと宙に浮き、ミーティングルームに向かっていた春奈は「きゃあ!?」と短い悲鳴を上げた。
「何だかよくわかんないけど、小さい春奈さんに会えるなんて夢みたいだなあ。あ、夢なのかな?」
まあどっちでもいいか。と春奈を抱えた白銀の髪の整った顔立ちの青年は笑う。

「な!?あ、ああ…あの!?」
突然見ず知らずの青年に抱き抱えられ、春奈は驚きのあまり上手く言葉が出なかった。
「ああ、驚いた?ごめんね」
そう微笑む青年は自分のよく知る少年に顔も声もとても似ていて春奈は戸惑った。
だけど彼にしては少し顔立ちが大人びていて背もぐんと高い。
「あ、あの…おおお、お兄さんは誰ですか!?」
そう問い掛けると、目の前の青年はにっこり笑う。
「ん?春奈ちゃんの未来の旦那さんだよ」
「…はい!?」
この人は何を言っているのだろう。
未来?旦那さん?
訳がわからず思考がぐるぐると渦を巻く。
「ええええ!?な、何言って…て、てゆーか降ろして下さい!それにちょ…あの、近いんです…っ」
距離が!
心臓がバクバク脈を打って顔が熱い。
だが青年はそんな春奈を見て更に笑顔になる。
「あはは、春奈ちゃん可愛いなあ。顔真っ赤だよ」
「!!!!」
からかう様に指摘され、更に頬を熱が篭る。


「あ!?」

するとそんな声が上がるのが聞こえて春奈と春奈を抱き抱えた青年は声の主をぱっと見た。
そこには口をあんぐり開けてわなわなと奮える白銀の髪の少年が立っていた。
「吹雪さん!」
春奈は少年の名前を呼んだ。
「た、助けて下さい!」
そう吹雪に手を伸ばす半ベソな春奈に青年は「あー、酷いなぁ春奈ちゃん」と苦笑いを浮かべた。
その光景を目にして怒りに奮えていた吹雪は大股でずんずんと青年に歩み寄る。
「ちょ…春奈さんに何してんの!?嫌がってるじゃないか」
そう言う吹雪の言葉を青年は涼しい顔で見やる。

「誰だか知らないけど、早く春奈さんを離し…」
言いかけた所で、静かに吹雪を見下ろす青年の、あまりに自分と瓜二つな顔に、吹雪は一瞬思考が停止した。
「…!?」
抱き抱えられたままの春奈も二人の顔を見比べ「あ…っ」と声を漏らし困惑していた。
やっぱり見れば見るほどこの青年は吹雪にそっくりで…それはもう、例えば吹雪少年と吹雪青年と呼べるほどに。

「うーん、僕ってこんなに小さかったかなあ…」
戸惑う吹雪少年と春奈を余所に、吹雪青年はボソッとそう呟いて抱き抱えていた春奈をようやく地面に降ろした。
そしてぽかんとした春奈の頭をくしゃくしゃと撫でて「じゃあまたね、春奈ちゃん」と、春奈のおでこにキスを落とし、にこやかにすたすたとその場から立ち去って行った。


「…今の、吹雪さんですか?」
「…え、僕はここにいるじゃない…やだなあ、もー…」
「…え、でも……」
「…は…はは、夢でも見てたんじゃないかな…」
「そ…そう、ですかね…」



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オチなんてないですごめんなさい。
こういうパロディってどう終わらせていいのかわからない…でも書きたい矛盾←
最初は10年バズーカネタで吹雪が入れ代わるだけだったんですが、吹雪少年出て来ちゃってオチが行方不明。


2011.9.25

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