人間界の草原とは少し違う。
 所々に電子が流れているのか、緑色のデータが辺りに散らばっている

 ここはデジクォーツの中にある公園。
 リアルワールドにある公園が反映されているって時計屋のおじいさんが言ってた

 ギルモンをリアルワールドに連れていけないから、僕はここでよくギルモンと遊んでいる。
 今まで会えなかった分を埋めるかのように、色んな遊びをしてる。


「こうやって、こうすれば…できた!」

「わぁ〜いタカトすごぉい!お花の冠だ〜」


 久しぶりに作った花冠、作り方を必死に思い出しながら作ったけど…うん、結構うまくいったかも
 

「へへっ、綺麗にできた」

「ホント啓人は手先器用だな」


 突然後ろから見慣れた手が伸びてきた。
 

「わっ!大さん!?」


 驚いてる隙に花冠はとられ、まじまじと見られる。
 普段は豪快にデジモンを殴り飛ばす手を持っているのに、今はそんな風には微塵にも感じない優しい手つきだ 


「せっかく作ったんだからさ、ほら」


 ぱさっ


「……え?」


 頭に重さを感じる。
 

「わぁ!タカト似合ってるよ〜!」

「あぁ、可愛いな」

「可愛いって…」


 僕、男の子なのに

花の匂いが染みついたのは言うまでもない。
本当に行動が読めない人だよ

花冠が似合う小学5年生・松田啓人


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