こっちの世界に来て数日経つが、オレとデジモンたちは環境の変化に身体が耐えれず体調を崩していた。
 アグモン達に比べればまだ軽い方だと思うけど身体が動かないのが辛い。
 デジモンの看病から炊事、洗濯、掃除に見回りなど全部他の奴らに頼りっきりっていうのがまた申し訳ない気持ちでいっぱいになる


「あ〜くそっ」

 ガチャ

「悪態つけるくらいには元気になったか」

「うわぁっ!?」

「くく、いきなり入って悪かった」


 飯持って来たぞと言い近づいてくるこの男は大門大って言ったっけ
 中学生だけあって、オレらより頭2つ分くらいデカい。
 

「食欲は?」

「ある」


 出来たてのおじやの匂いが空腹を刺激してくる
 起き上がろうと腕に力を入れようとするが、その前に逞しく優しい腕がベットと背中の間に入ってきた


「無理すんなよ。ほら」

「……ありがと」

「おう。んじゃ冷めない内に食おうぜ」

 
 赤い蓮華がおじやを掬いだしオレの口元へと向かってくる
 …え、ちょっと待って。これもしかしなくても…ッ!


「ひ、一人で食べれる!」

「満足に身体動かせないくせに何言ってんだよ」


 早く食えと唇に当たるギリギリのところに蓮華を近づける
 …出会って数日な年上にいきなりあーんされるオレの心情も察して欲しい。だけど此処で動かないとそれこそ無理矢理口の中に突っ込まれそうな予感がしてならない

 
「……っ」


 あむ


(もぐもぐ)

「どうだ?太一ってやつが作ったんだぜ」

「(ごくん)…美味しい」

「はは、後で伝えとく。簡単な料理なら作れるってアイツ言ってたな。
 あと啓人っていう黄色いゴーグルつけてる奴はパン作れるんだと」

「マジかよ、スゲェ」

「家がパン屋でよく手伝ってるらしい。お前とデジモンたちが元気になったら作りたいって言ってたぞ」

「そっかぁ」

「んで大輔もサッカークラブに入ってて、早くお前とサッカーやりたいてぼやいてた」

「太一さんも確かサッカーやってるって」

「あぁ、現キャプテンだと」


 小5でキャプテンてことは、相当実力あるってことだよな… 
 大輔とも太一さんとも勝負してみたい。


「早くやりたいな」

「なら飯食ってとっとと寝ろ。」


 また一掬いされた蓮華が近づいてくるが、今度は抵抗せず、すぐ口の中へ運んでもらった


「動けるようになったら、今までの分きっちり働いてもらうかんな」

「上等」

「お、言ったな?期待してっぞ」

「期待以上の成果みせてやる」 


そのためにも元気にならないとな
そういえば大はなにができるんだ?
俺は喧嘩が得意だぜ!
……。

いつも素敵なマサ拓をくれる羊ちゃんへふぉーゆー!これがキッカケで拓也は大に懐けばいい


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