※学パロ


「よ、前半戦おつかれ」

「大にタイキ。来てくれたのか」

「太一の進路が掛った練習試合なんだ、応援するに決まってるだろ」


 中学3年の夏。暑さに魘されながらも受験勉強という大敵と闘う俺たち。
 今日ばかりは敵前逃亡したのを許してほしい 


「どうだ相手さんの方は?」

「流石強豪校。基礎がしっかりしているし臨機応変の動きも参考になるもんばっかだ
 今のトコ1勝1分けだが…負けるつもりはない」


 太一の目から諦めたというものが一切感じない
 それに頷くとタイキが肘で押してくる 


「ほら大、いつものやつ渡せよ」

「ん、負けたら承知しねぇぞ」


 渡したのはレモンのはちみつ漬け
 中1の頃から作っていたお陰で、この食べ物だけには味に自信がある。
 何せ、太一とタイキの練習試合がある度に作らされたから


「サンキュ、やっぱこれがねぇとな!」

「ったくマネージャーか誰かが作ってるだろうに、何で俺の食いたがるんだよ」

「大が作ったから食いたいんだよ」

「男は皆現金ってな」

「……そーですか」


 ピピーッ


 試合開始のホイッスルが鳴り響く。
 違う学校の奴らが一礼をし、各々の位置へと走っていく 
 その様子を3人で見ると、太一のチームが違う場所で固まっていくのが見えた


「そろそろ戻らないと」

「最後の試合はいつだ?」

「1時間後、それまで俺らのとこは練習とミーティングだ」

「んじゃその間はデートしようか、大」

「時間つぶしと言え」


 さりげなく腕を絡めるな、ひっつくな、このクソ暑い中で


「太一、もし最終試合で負けたら、今度の花火大会は俺と大の2人だけで行くからそのつもりでな」

「ほぉーそれじゃ勝ったら俺と大の2人ってことだな」

「俺の意思は相変わらずスル―か」


 この流れに慣れてしまった自分が怖い。3年の付き合いは伊達じゃない
 ハァとため息をつくと、グランドの方から太一と呼ぶ声が聞こえる
 きっと集合が掛ったんだろうな、太一も慌てて走り出していった。


「気合入れろよ!」

「応援してるからなー!!」

「まっかせとけって!」
 

 差し入れのレモンを食べながらチームの中へと戻っていく
 そうそう、俺がわざわざ作ってやったんだから負けたら承知しねぇぞ



1時間後、怒涛の攻撃が始まった
あいつらが見てんだ、最初から飛ばすぞ!
応援する度に差し入れもってくる兄貴可愛いなから始まったお話。みんさんにふぉーゆー!あんまり大サンドじゃなくてごめんなさい!


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