「マサル!」 少年の声が聞こえた。 なんだと声の方へと振り向くと、紺色の髪の少年が大に抱きついていた。 大も最初驚くけど、すぐに嬉しそうに微笑み少年の頭を撫でだす 「久しぶり、怪我してねーか?」 「当たり前だ!オレ、強い!」 「はは、そーだな」 「…大、そいつ、誰?」 自分でもいつもより低めだとわかる声で問う 「あぁ、コイツはイクト。元の世界の仲間だ イクト、こいつは拓也だ。」 「よろしく」 「よろしく。随分と仲良いんだな」 「まぁ弟みてぇなもんだからな」 「む!オレ、仲間!弟じゃない!」 きっと弟扱いではなく、仲間として対等にみて欲しいのだろう。 「悪かった。イクトは頼れる仲間だよ」 「えへへ。…あ、そろそろ戻る。ファルコモン、心配する」 「そっか、そっちも頑張れよ」 「おう!そうだ、大ちょっと屈んで」 突然のお願いに大も首を傾げるが、言うとおりに屈みだす。 ちょうどイクトの顔と同じくらいの視線になる ちゅっ 「な!?」 大の頬にき、キスしたぞ!? 「さよならの挨拶。一緒に戦ってる奴から聞いた」 「……そっか、けど色んな奴にやるんじゃねーぞ」 「ファルコモンと大にしかやらない」 それじゃまたな!と、走って行った 大もイクトの後姿を見送りつつ立ち上って、頬をかるく掻く 「ったく、誰だよイクトに変な入り知恵した奴」 「……」 「お前もそう睨むなっての。イクトは人間界の常識とかまだ分からないんだ」 「ふざけんな」 グイッ! 「どわ、んぅ!?」 「大は、俺のもんだ」 目の前でキスされて冷静でいられるほど、大人じゃない あのイクトって子は、頬に出来ても唇にキスは出来ない。 これは俺だけの特権だ 「無防備すぎだっての」 「…お前もな」 ガバッ 「ッ!?な、なぁ!?」 い、いま何が起きた!?いつのまに担がれてんだ!? 「太一、夕飯まで俺ら部屋に籠ってるわー」 「へ!?」 「おーわかったー。あんま激しくやんなよー」 「無理」 「ま、大!?」 「可愛い嫉妬をみたんだ、我慢できねぇよ」 「〜〜ッ、馬鹿…」 馬鹿はお互い様 あれ、大さんと拓也は?寝てっから部屋に近付くんじゃねーぞ 嫉妬ネタいいよね!きっと拓也もいつもより素直になってるだろうニヤニヤ |