(……ヤバい、大分遅れた) どんなに遅くても6時には戻るように。 それが俺たちが共同生活する中で決めた1つのルールだ (途中でデジモンと交戦しちまったのが失敗だよなぁ) 既に7時を回っている。これはマズイ。 確実に太一さんと大に怒られる。拳骨が飛ばないことを祈ろう 少しでも遅れを取り戻すべく、スピードをさらに上げ走り出した。 * * * * * 全速力で走ってようやく拠点に到着。 …覚悟を決めろ、俺 ガチャ 「た、ただいま…」 「遅い」 玄関前に待機ですか。 「1時間オーバーしてるぞ」 「あ、あはは…ごめんなさい」 「理由はなんだ」 「デジモンに遭遇して、その…」 「思ったより長引いたか?」 「仰る通りです」 「……」 やばい、近づいて来た… 頭にふってくるであろう一撃に備えてギュッと目を閉じる ガバッ! 「……ッ!?」 え、ちょ何で抱きしめられてるの?! 「…マジ、勘弁してくれ。それならそうと助け呼べよ。否、俺が探しに行けばよかったよな」 「大…?」 腕、震えてる? ずっとこの震えを抑えながら待っててくれたのか…? 「頼むから心配させんな」 もうあんな思いはごめんなんだ。 ぼそりと呟かれた言葉は大の心の奥に閉まっていた何かが滲みでてる気がした 「ごめん。…待っててくれて、ありがとう、大」 少しでもその震えが止まりますように。 そう祈りながら背伸びをして、額に口づけを落とした。 ただいま。 貴方の腕の中に戻ってきたよ兄貴は帰ってるべき時間帯に帰ってこない誰かを待ってる間がトラウマならいいな。英さんがそれだったし。という妄想から生まれた文 あとツイッターのお題で額にキスがあったのでそれと合体させてみた。 |