先に動き出したのは俺だ。
 これがどういう意味になるのは考えなくても分かる。

 分かっていたつもりだ。


「大、いつもの服はどうしたんだよ?」

「あ、あーちっと汚しちまって洗濯してんだ」


 ぎこちなく乾いた笑いをしている
 目もいつもと違い揺らいでいた
 

「ふーん、代えの服がタートルネックって意外だな」


 黒のタンクトップに赤と白の袖なしジャケットが大の基本スタイルだ。
 あいつらしい動きやすい服

 けど、今は黒のタートルネックで喉も二の腕もその姿を隠されていた
 キツクて着てられない。そんな感想を呟くのが目に見えている服を、コイツは着てる


「じいさんに服頼んだらコレだっただけだ」

「そっか、てっきり首回りにまで虫に刺されたのかと」

「なッ…!?」


 明らかな動揺。
 

「なに言ってんだよ。違う違う」


 何とか平然を保とうとするのが気に食わない


「襟のとこ、隠しきれてないぞ」

「え!?さっき見たときは大丈夫だっ…た…」


 しまった。と顔に描かれている。
 お前やっぱ素直な奴だよな。素直すぎるくらいに、さ


「やっぱ虫刺されじゃん」


 なぁ、お前はなにされたんだ?
 どんな表情をしたんだ? どんな声を出した?
 

「どんな悪い虫にやられたんだ?」


 俺にも聞かせろよ


言葉ごと奪うように口づけをした
アイツには渡さない

太一さんのターン。このままエスカレートしていけばいいよ!続かないよ!


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