「……ん、」


 むくり


(…そっか、俺たち違うデジタルワールドにいるんだよな…) 


 俺たちの冒険では必ず誰かが見張りをしていた。
 全員が雑魚寝するなんてことはほとんどなかったっけ


「こういうのもいいよな…あ」


 ふと隣をみると、拓也が大に抱きついていた
 普段の彼からは考えられないくらい、甘えるようにくっついている


(拓也は夜になると甘えん坊だよな)


 その気持ちは分からんでもない。強がっても小学生。
 人肌が恋しくなるものだ 
 日中は必死にそれを隠してるが、誰もが無防備になってるこの時間帯のみ、拓也は大に甘えているのだ
 
 この事実を知ってるのは俺と大の2人だけ
 というのも、朝になると本能なのか自然と拓也から離れていくから、本人も気づいていない

 大も敢えて知らないふりをして、拓也を包み込む
 ・・ちょっと羨ましい


「! そうだ」 


 思いついたら即実行。
 俺も大に抱きつく。うん、やっぱあったかい。
 こりゃまたすぐに寝れそうだ


「一応年齢的には年下だし、俺もたまには甘えて良いよな」



 …数時間後…



「どうしてこうなった…」


 拓也は毎度のことだ、もう慣れた。
 あいつは起きる前に勝手に離れるからいい。
 問題は太一だ。お前どうした、いや、別に嫌じゃないけど、お前どうした。

 ヤケに腕が重いと思えば腕枕されてるし…


「ったく、お前ら」


甘えるなら起きてるときにしろっての
いつでも受け止めてやっからよ

包容力ある兄貴が描きたかったんだ


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